9月9日、東京で開催されたマイクロソフトのパートナーコンファレンスで2011年度の受賞企業が発表された。パートナー企業のコンピテンシー(得意分野、専門性)に基づいたコンピテンシーアワードに26部門24社、特定部門におけるアワードに5部門5社がそれぞれ受賞を果たしている。今年はやはり、マイクロソフトがクラウドに全社をあげて力を入れていることもあり、クラウドサービスにまつわる企業の受賞が目立った。
今回、コンピテンシーアワードの「Midmarket Solution Provider(中堅企業向けソリューションプロバイダー)」部門で受賞したティーケーネットサービスの代表取締役 武田勇人氏、そして特定部門の「Windows Azure プラットフォーム パートナー アワード」を受賞したシステムコンサルタントの常務取締役 小谷達人氏、同社第一営業部 クラウドシステムインテグレートサービス担当マネージャー 坪田竜一氏にお話を伺う機会を得たので、これを紹介したい。
Windows Intuneの機能をフルに引き出すソリューションで地方のSMBを支援する - ティーケーネットサービス
ティーケーネットサービスは新潟県新潟市に本社を置き、新潟市を中心とする北陸の中堅企業をターゲットにITサービスを提供する企業だ。全社員がMCSE、MCITP、MCDBAなどのマイクロソフト認定技術資格の最上位資格のホルダーであり、マイクロソフトの最新テクノロジを活用したシステム構築にかけては定評がある。
今回、同社が受賞したアワードは、その名の通り「中堅企業を支援する最新のテクノロジとITソリューションの知識を用いて、優れたソリューションを構築」(日本マイクロソフト)したパートナーに対して贈られるもの。
同社は昨年、コンピテンシーアワードの「Business Intelligence」部門でも受賞しており、2年連速でパートナー オブ ザ イヤーに輝いたことになる。なお、武田氏は前職でも受賞経験があり、個人で通算すると3度目の受賞となる。
受賞理由は「中堅企業に対して、Windows Intune、Windows 7、Windows Server 2008 R2、System Centerを活用した、パブリッククラウドとプライベートクラウドのハイブリッドなデスクトップ管理サービスを提供」(日本マイクロソフト)した実績を評価されたことによる。ここで注目したいのがWindows Intuneを使ったサービスであるという点だ。
クラウド上でPCの安全な管理を可能にするWindows Intuneは、管理者がどこにいても、また、管理対象のPCがどこにあろうともかまわない。オフィスのデスクトップも、在宅社員のノートPCも等しく一元管理できる。アップデート管理やマルウェア対策などは、個々のマシンで対応にばらつきが出やすいものだが、ハードがどこにあってもインターネットにさえつながっていれば一斉に行うことも可能だ。
Windows Intuneは今年3月にマイクロソフトが全世界でほぼ同時に提供を開始したサービスだが、日本では東日本大震災のタイミングと重なってしまい、サービス提供が4月にずれ込んだという経緯がある。このため、Office 365やDynamics CRM Onlineと並ぶマイクロソフトのクラウドオファリングメニューでありながら、国内での知名度は今ひとつだった点は否めない。だが武田氏によれば、最近ではBCP(事業継続計画)に対する興味/関心が中堅企業の間でも高く、とくにリモートワークの必要性を実感している企業が震災以来、確実に増えているという。
「震災以前からリモートアクセスには取り組んできたが、震災後はBCPへのフォーカスが大きく前進したことを肌で実感している」(武田氏)
そこでティーケーネットサービスはWindows Intuneがもつ標準機能/付加機能をフルに引き出した「PC管理プレミアムサポート with Windows Intune」の提供を開始した。「Windows Intuneに搭載されている機能は本来、多くの企業が欲しがっていたもの。
Windows Intuneの存在を知らなくても、まずは見てもらえれば、必ず良さを体感できる」と武田氏は自信を見せる。すでに導入済みの企業も数社あり、現在も10社ほどから導入の打診を受けている同サービスだが、同社では「年度内に50社程度の導入をめざしたい」としている。
「ITでやりたいことがたくさんあるのに、コストを理由に断念している企業の夢を叶えたい」と武田氏。来年度もアワードの受賞を目指し、地方の中堅企業のIT化をマイクロソフトともに支援していく。