比較された結果としてHANAが選ばれる
「システムのリアルタイム処理のボトルネックは、データベースにある」
SAPジャパン リアルタイムコンピューティング推進本部長 馬場 渉氏は、このボトルネックを解消するために登場したのが、次世代アーキテクチャのインメモリデータベース「HANA」だと言う。当初HANAは分析用途に特化したインメモリデータベースとして登場した。しかし、本来はOLTP、OLAP、数値データ、非構造化データなどあらゆるものを対象としたデータベースを、これに置き換えるものとして開発されているとのこと。
とはいえ現時点でHANAは分析用に特化しているので、先週Oracle OpenWorldで発表されたOracle Exalytics In-Memory Machineと競合することになりそうだ。
馬場氏は「インメモリデータベースの市場に似たような製品が出てきて、HANAと比べられるようになるとは思う」と言い、その結果としてHANAが採用されるだろうと自信を見せる。
HANAの世界市場を見ると、日本でのビジネスの成長はかなり大きいとのこと。その結果もあり、SAPのワールドワイドな組織である「グローバルHANA事業部門」において、単独国としては米国と日本だけが常任理事国入りを果たした。通常は地域リージョンでの参画となるものなので、日本市場への期待感の大きさがこのことからもうかがえる。常任理事国入りしたことで、日本独自の要求事項も挙げられるようになり、日本向けの機能拡張も今後は期待できるということだ。
また、日本でのさらなるビジネス拡大のために、SAP Co-Innovation Lab Tokyo HANA POC Centerを開設し、HANAの実機を見て試せる環境を顧客やパートナーに提供する。「日本においては、見たことのないものを購入するというのはなかなかない」と馬場氏。実機で検証できる環境は、日本ではかなり要望の高いものとのことだ。