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MySQLチューニング虎の巻

MySQLチューニング虎の巻/ソートに関連するトピックとクエリの書き換え

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 ソートにインデックスが使われていることをどのように上記のEXPLAINから読み取ればいいのだろうか?それは、「Using filesort」が使用されていないことから分かる。ファイルソートとはインデックスが使われなかったときに結果セットをソートするためのアルゴリズムである。ファイルソートという名前であるが、アルゴリズム的にはクイックソートである。(メモリ内のバッファとテンポラリファイルを使うところが特徴である。)

 先ほどのEXPLAINの実行結果のExtraフィールドにはUsing filesortが表示されていないので、インデックスを使ったソートが行われていることが分かる。Countryテーブルの主キーは単一のカラム(Code)から構成されている。従ってCodeカラムの範囲をWHERE句で指定して、なおかつそのカラムでソートすればインデックス順でレコードをフェッチすれば良い。

 次の例はマルチカラムインデックスを用いたクエリの例である。

mysql> EXPLAIN SELECT * FROM CountryLanguage WHERE CountryCode LIKE 'j%' ORDER BY CountryCode,Language\G
*************************** 1. row ***************************
           id: 1
  select_type: SIMPLE
        table: countrylanguage
         type: range
possible_keys: PRIMARY,CountryCode
          key: PRIMARY
      key_len: 3
          ref: NULL
         rows: 11
        Extra: Using where
1 row in set (0.00 sec)

 このクエリでもUsing filesortが表示されていないので、インデックスを使ったソートが行われていることが分かる。CountryLanguageテーブルの主キーは(CountryCode,Language)というマルチカラムインデックスになっている。このクエリはインデックスがマルチカラムインデックスになっただけで、クエリの構造自体はひとつ前のクエリとまったく同じである。すなわち、マルチカラムインデックスを使って範囲を指定し、同じインデックスを使ってソートを行うというものである。

 範囲の指定でCountryCodeカラムしか使われていないが、これはCountryCodeカラムのほうがインデックス定義で先に(左側に)来ているからである。下記の表はCountryLanguageがJで始まるレコードの周辺のインデックスエントリである。実際に次のような順序でエントリが並んでいるので、CountryCodeカラムだけでインデックスの範囲を指定することが出来るのをご理解頂けるだろう。

 このクエリではWHERE CountryCode LIKE 'j%'となっているが、WHERE CountryCode = 'JPN'という等価比較でも構わない。上記の表を見て頂ければ分かると思うが、マルチカラムインデックスにおいて左側の部分だけを等価比較するということは、インデックスの範囲を指定することになるのである。

 左端ではないカラム、すなわちCountryLanguageテーブルの主キーのLanguageカラムで範囲を指定するとどうなるだろうか。もうお分かりだろうが、Using filesortが表示されることになる。


mysql> EXPLAIN SELECT * FROM CountryLanguage WHERE Language LIKE 'j%' ORDER BY CountryCode,Language\G
*************************** 1. row ***************************
           id: 1
  select_type: SIMPLE
        table: countrylanguage
         type: ALL
possible_keys: NULL
          key: NULL
      key_len: NULL
          ref: NULL
         rows: 984
        Extra: Using where; Using filesort
1 row in set (0.00 sec)

 また、左端でないカラムをORDER BYで指定した場合、インデックスを使ってソートする場合には、それより左にあるカラムがWHERE句で等価比較されている必要がある。例えば次のようなSQLである。(EXPLAINは省略する)

mysql> SELECT * FROM CountryLanguage WHERE CountryCode = 'JPN' ORDER BY Language\G

 ちなみに、このクエリにおいて検索条件をWHERE CountryCode LIKE 'j%'にするとファイルソートになってしまう。この場合なぜファイルソートになるかということは、読者自身で考えてみて欲しい。

 インデックスを用いたソートが行われるかどうかということについては、このようにインデックス内にどのような順序でエントリが格納されているかということを考えればわかりやすい。

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この記事の著者

奥野 幹也 (オクノ ミキヤ)

日本オラクル株式会社
MySQL Global Business Unitテクニカルアナリスト

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https://enterprisezine.jp/article/detail/3695 2012/02/10 18:27

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