チューニングの心構え
最後に、これからチューニングに取り組もうという皆さんにメッセージを送って本稿を締めくくろうと思う。
これだけは覚えて頂きたい!というのは、チューニングに黄金律は存在しないということだ。これとこれをやっておけばバッチリ!というような都合の良いノウハウは存在しないのだ。あるシステムでは有効だった対処が、他のシステムでは効果がなかったり、返って悪影響が出るということは往々にしてある。従って、チューニングとは毎回未知なる敵との戦いになることすらある。
チューニングをする上で大切なのは、状況がどのようなものであるかを見極めるということだ。状況も分からずに進むべき方向などは決められない。チューニングの効果があるかどうかを見極めるには、1も2にもベンチマークだ。理屈の上では正しいことでも思うような結果が得られないことも多々あるので、何事もやってみなければ分からない。ベンチマークをし、性能要件は十分満たされているのか、対処は有効なのかといったことをしっかりと見極めて欲しい。
チューニングをする際、無闇矢鱈にパラメーターをいじくりまわしても効果は上がらない。仮説やノウハウに基づいて進むべき道を決めたほうが良い。それが最適値への近道だからだ。チューニングを実践するには、それを支えるしっかりとした理論が必要である。日々勉強して理論を磨くことを怠らないようにしよう。