会場は北京のオリンピック会場としても知られる北京国家会議中心(北京国家会議センター)。メインステージでの講演の他、展示、G-Startupというモバイル・インーターネットのベンチャーのコンテストイベントも併催された。スピーカーも中国、アメリカをはじめ錚々たる企業のCEO、役員、事業責任者が揃い、数多くの基調講演とパネルディスカッションがおこなわれた。
チャイナ・ユニコム、テンセントのCEOが語る中国市場
初日、5月10日の午前中のキーノートとして登場したのはテンセントの創業者でありCEOのポニー・マ氏。中国で最も普及しているインスタントメッセージの「テンセントQQ」などで知られる中国最大手SNS企業である。マ氏は、テンセントとしては今後プラットフォームのオープン化とセキュリティが重要であることを強調し、QQやテンセント・ウェイボー(ウェイボーは中国版のTwitter)は急速に普及しているが、最大の課題がセキュリティであり、そのために昨年キーパーというセキュリティ会社に投資したと語った。
テンセントは、オンラインゲームのプラットフォームとしても成長を続けているが、オンラインゲーム企業の戦略上重視しているのは、ユーザーの残存率であり、リピーター率を投資判断のポイントしているという。またゲームプラットフォームとしては開放性を重視しており、今後テンセントのプラットフォームをさらにオープンなものにしていくと語った。
チャイナ・ユニコムはバイス・プレジデントのShao Guanglu氏が登場した。
「現在、チャイナユニコムの3Gのユーザー数は、4000万人を超えた。今年中に9000万人に達する見込み。3Gへの移行とともに、通信の安定性の問題になっている。基地局を25万敷設し、Wifiのホットスポットは現在4万あるがさらに2万追加する」と語り、昨年の日本のNTTドコモの通信障害を例に出し、中国においても今後のモバイルインターネットの普及のために、通信の安定性を確保するためにキャリアとインターネット業界の協力関係をより強くしなければいけないという。
初日の午前中は、他にも端末メーカーのHuaway、Xiaomi、UCWebなどが講演をおこなった。
中でも注目度が高かったのは、UCWebである。UCWebはブラウザベースのソーシャル・プラットフォーム企業。ブラウザでありながら、iOSでもAndroidでも急速に普及し、世界各国で3億のユーザを抱えており、さらにインドでも急速に拡大している。創業後7年で驚異的なスピードである。UCWebのCEOのYu Yungfu氏は、国内では「テンセント、バイドゥ、海外ではグーグル、アップル、MSを目標にしていく」という壮大な意向を語った。