プロジェクト配置モデル
SSISは新しく導入されたプロジェクト配置モデルと従来のパッケージ単位での配置を行うパッケージ配置モデルの両方をサポートしてます。しかし、SQL Serverデータツール(以下、SSDT)で新規にIntegration Servicesのプロジェクトを作成すると、既定でプロジェクト配置モデルのプロジェクトが作成されます。実際に SSDTで新規にプロジェクトを作成した場合の画面が次の画面になります。

パッケージのデザインのタブは従来と変更ありませんが、ソリューション エクスプローラーの内容は従来と異なっているのが確認できます。プロジェクトに含まれているProject.paramsはプロジェクト レベルのパラメーターが定義されます。プロジェクトパラメーターを使用することで、プロジェクトで定義された値やプロジェクトが外部から受け取る入力値を複数のパッケージに指定することが可能となります。例えばプロジェクト全体で出力先のフォルダを指定したい場合、プロジェクトパラメーターで定義します。実際にプロジェクトパラメーターを定義する場合は Project.paramsをダブルクリックするか、右クリックのメニューから「開く」を選択します。次の図はプロジェクト パラメーターとして出力先をパラメーター名OutputDirとして定義したものです。

パラメーターはパッケージのプロパティ式などで使用できます。次の図はパッケージ レベルのフラット ファイル接続マネージャーのプロパティConnectionStringの式にプロジェクトパラメーターを使用しています。式ビルダーの「変数とパラメーター」にプロジェクト レベルのパラメーター$Project::OutputDir とパッケージレベルのパラメーター$Package::OutputFleが表示されていることが確認できます。それらを式に追加しています。このようにそれぞれのパラメーターは同じように使用することができます。
接続マネージャーもパラメーターと同様にプロジェクトレベルで定義が可能となりました。ソリューション エクスプローラーの「接続マネージャー」のノードにはプロジェクトレベルの接続マネージャーが表示されます。次の図では接続マネージャーを選択するリストにプロジェクトレベルのADO.NET接続マネージャー(denali Contosodb1)とパッケージで定義されたフラット ファイル接続マネージャーが表示されています。
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- この記事の著者
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坂輪貴行(サカワ タカユキ)
日本マイクロソフトの Premier Field Engineering 部にて、SQL Server ユーザーの支援を行う。前職はシステム エンジニアであり、長く Sybase を使用したプロジェクトに従事。業界歴 14 年の月一ゴルファー。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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