今回のDBプロは「あたらしいSQL Server/Denaliの世界」の著者の1人としてもおなじみの、古賀啓一郎さん。連載で淡々と解説するようすそのままに、インタビューも淡々と丁寧に語ってくれる誠実な方だった。現在日本マイクロソフトのプレミアフィールドエンジニアとして顧客のサポートを担当しており、SQL Serverの知識では日本屈指のエンジニアである。ここまでどのようにスキルを究めてきたのだろうか。
就職活動、営業職ではどこか違和感

大学では経済学部だったという古賀さん。エンジニアだとよく「子どものころからパソコンやゲームを自作して遊びました」という逸話を聞くが、古賀さんにはこうした過去はない。プログラミングはおろか、パソコンにさほど慣れ親しんでいたわけではなかった。就職活動では文系ということもあり、当初は営業職を目指していたくらいだ。
ところが営業職にはどこか違和感があった。ふとしたきっかけから「文系でもIT系SIerに応募できる」と知った。説明会に足を運び話を聞いているうちに、IT系企業の方が自分に向いている気がした。
「ロジカルなところでしょうか。空気としてはこちらの方が合っている気がしました」(古賀さん)
単なる「勘」だけではなかった。ある企業で受けた適正検査では、ロジカルシンキングの点数がよかったと採用担当者から聞かされた。
「その時たまたまできただけなんですけどね(笑)」と謙遜するものの、エンジニアとしての適性は申し分ないということだろう。こうして、最終的には、SIerにシステムエンジニアとして就職することになる。
ただし適性はあっても、パソコンの経験や知識はほぼゼロからのスタート。
「新人研修当時はWindowsにもあまり詳しくなくて。ウィンドウサイズを変える方法が分からなくて隣の人に聞いてしまいました。ウィンドウの端をドラッグするなんて当時は思い浮かびませんでした。……ところで、こんな人間がSQL Serverのサポートしているなんて知られたらひんしゅくかな(苦笑)」
新人研修を終えると通販のシステムを構築するチームに配属された。大規模なプロジェクトに加わり、設計やプログラミングなど網羅的に学ぶことができた。当時はC#やVB6.0などに携わりながら、エンジニアとしてのスキルを磨いていった。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
加山 恵美(カヤマ エミ)
EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア