Oracle Database Applianceを徹底検証!
前回はOracle Database Applianceの概要とインストール方法を解説しました。データベースに必要なハードウェアとソフトウェアが設計・テスト済の状態で提供されるため、電源を入れてから、わずか2時間でインストールが完了しました。
このような手軽さもOracle Database Applianceならではのメリットですが、データベースとしての実力はどうなのでしょうか。
・一般的なRAC構成と比べて、可用性に違いはないのか?
・Pay as you growでスモール・スタートした後にコアを増やした場合、性能は上がるのか?
・Enterprise EditionとStandard Editionでは、どのくらい性能差があるのか?
など、気になる要素はたくさんあります。
第4回目となる今回は、データベースの代表的な非機能要件である可用性に焦点を当て、Oracle Database Applianceをいち早く検証した結果をお伝えします。
データベースにおける可用性の考え方
可用性とは、データベースが本来期待された動作を継続する能力のことで、24時間365日にわたってサービスを提供するようなシステムには欠かせない要素です。
可用性はシステム故障が発生するまでの平均時間である『MTBF(Mean Time Between Failure)』と、システム故障が発生してから復旧までの平均所要時間である『MTTR(Mean Time To Repair)』の2つから算出されます。
MTBFはデータベースが使える期間、MTTRはデータベースが使えない期間と考えることができます。従って、高い可用性を実現するためには、MTBFを長く、MTTRを短くする必要があります。
MTBFを長くするには故障しない機器を用意すればよいのですが、データベースのようにサーバーやストレージなど様々な機器から構成されるシステムにおいては、故障の可能性が少なからず存在します。
そのため、可用性を考える場合は、いかにMTTRを短くするかがポイントになります。