価値創造フレームワークである「ビジネスモデル・キャンバス」を、書籍『ビジネスモデル・ジェネレーション』の訳者でコンサルタントの小山龍介氏を講師に迎えて、ワークショップで解説致します。20名限定での講義+演習スタイルで開催です。
■日時:11月2日(金)13:00-17:00 (12:30-開場)
■場所:株式会社翔泳社1Fセミナールーム(東京)
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「顧客発見」では、まず仮説を紙に落とし込むことから始める
— それでは、各ステップの具体的な話に移っていきたいと思います。第1ステップ「顧客発見」では、仮説構築とC-P-S仮説、顧客ヒアリングなど様々な具体的なメソッドが紹介されていますが、まずこれらについてお話をお聞かせください。
堤氏:既存企業の新規事業も、ベンチャーのゼロからビジネスを立ち上げるような場合も、一様にはじめは全く分からないことだらけです。初期の仮説を検証するために、顧客に「聞いたり」「売ったり」する中で、少しずつ軌道修正を重ねていきます。その際に重要なのが、初期の仮説としてどういう想定をしていたかが明確にドキュメントとして残っていることです。
そして、その後追加していく要素なども一つ一つ把握していき、プロセスが進んでいく中で、どこを変えてきたのかという記録をきちんととっておくこと。仮説が変わっていく経緯を踏まえることで、検証の進捗を測ることができ、効率的かつ効果的な取り組みができるからです。また、そのような検証履歴は進捗を測るだけでなく、資金調達や社内報告などの際に進捗を他人に見せるときにも役立ちます。最初の顧客発見ステップでまず仮説の書き出しから始めるのです。
飯野氏:前述のとおり、科学的に仮説を検証する際には、仮説を明示的に文字で残し、それを組織に共有化・可視化することを、強く推奨しています。スティーブ・ブランクは、仮説を共有するためには、ある程度共通の用語の定義だとか、テンプレートが必要であると当初からずっと言い続けており、その仮説の共有の仕方をかなり懇切丁寧に標準化しています。
その仮説共有のテンプレートが、『アントレプレナーの教科書』では、C-P-S(Customer顧客/Problem課題/Solution製品・サービス)であり、新刊の『スタートアップ・マニュアル』ではC-P-Sだけでなくビジネスモデル全体の仮説を網羅できるように、「ビジネスモデル・キャンバス」が採用されています。「ビジネスモデル・キャンバス」は、アレックス・オスターワルダー/イヴ・ピニュールの『ビジネスモデル・ジェネレーション』で解説されているより詳細なフレームワークで、仮説共有のやり方についてますます標準化の努力が進んできています。
上記例のビジネスモデル・キャンバスによる仮説検証の様子をもう少し見てみたいという方は以下のスライドとビデオも合わせてご覧ください。