SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Press

いま注目のFusion-ioの速さの理由


データ量の著しい増加で、それを格納するデータセンターの運用コストは増大し続けている。サーバーやストレージの維持費、ライセンスや保守料を含むソフトウェアに関わる費用、さらには電力や光熱費、そしてデータセンターそのものを維持するためにも莫大な費用がかかる。この膨大なコストを削減する余地は、いったいどこにあるのか。

 Fusion-ioも登場!「DB Online Day」9月11日開催!

ストレージが早くなればサーバーの稼動率が上がりコストも削減できる

 増え続けるデータを効率的に処理できれば、データセンターのコストを大幅に削減できる可能性がある。たとえば、データセンターにあるサーバー群、たくさんあるサーバーの稼動率は平均すると20%程度と言われている。稼動率を上げられれば、サーバー数が減らせ、それに伴うソフトウェアライセンスや設置スペース、当然ながら電力や光熱費が削減できる。

 サーバーの効率を上げるために仮想化技術を活用する話を、数年前からよく耳にするようになった。仮想化を利用すれば確かにサーバーの稼動率は向上させられるだろう。しかし、それでもまだビッグデータを処理する場合は、うまくいかないこともある。

 その原因となるのが、CPUのパフォーマンスがムーアの法則で著しく向上するのに対し、ビッグデータを格納するストレージ処理能力がそれに追いついていないこと。このCPUとストレージの性能ギャップが、大量データを処理する際の大きなボトルネックとなる。

Fusion-io 
CTO ニール・カーソン氏

 「このパフォーマンスのギャップを埋めるのが、Fusion-ioのテクノロジーです」と語るのは、フラッシュメモリ技術を活用する次世代ストレージメモリー製品を提供するFusion-ioのCTO、ニール・カーソン氏。

 Fusion-ioは、新しいストレージ技術を提供する、いま注目のベンダーだ。創業者はデイビッド・フリン、リック・ホワイトの2氏、2006年に起業し2008年に最初の製品を市場に提供した。その製品で、世界初の100万IOPSを達成している。IBMやHP、DELLなど、名だたるハードウェアベンダーとの協業などにより、急激にビジネスを拡大している。また、Appleの共同設立者の1人だったスティーブ・ウォズニアック氏が、同社のチーフ・サイエンティストとして参画していることでもFusion-ioは注目されている。

 カーソン氏は、「サーバーのCPUの稼動率が100%になることを目指せるのが、Fusion-ioの技術です」と言う。常に100%に近い稼動率でサーバーを運用できれば、それだけでサーバーの数を1/10まで減らせた事例もあるとのこと。この稼動率を高めるには、従来のハードディスク型のSANストレージなどでは、なかなかうまくいかない。性能差が大きいので、どうしてもCPUではストレージからデータを取得する際に待ち時間が発生してしまうためだ。

 Fusion-ioのストレージは、一般のストレージよりもCPUの中にあるキャッシュメモリやメモリであるDRAMに近いところに位置する。一般のストレージがミリセカンドのオーダーであれば、Fusion-ioのioMemoryはマイクロセカンドの世界にあるとのこと。このioMemoryの活用により、海外だけでなく国内でも大幅にサーバーを削減し効率的なシステム環境を実現している例が出てきている。

 サイバーエージェントでは、以前は96台の独自構成のサーバーを用い、サービスのアメーバピグを提供していた。96台ものサーバーがあると「度々どこかでなんらかの問題が発生していたそうです。そのため、故障したハードウェアを入れ替えサーバーをリブートする際にも、ストレージからメモリにデータが載るまでの時間がかなりかかっていたそうです」とフュージョンアイオー株式会社セールス マネージャー ジャパンの秋山 泉氏は言う。

 サイバーエージェントでは、このシステムをMySQLとFusion-ioのioDrive Duoを活用した8台構成のサーバー環境に移行した。この8台は冗長構成を取っているので、サービス提供時に実際に使用されているのはたった4台のサーバーだ。大幅にサーバー台数を減らしても、かつての3倍以上のアクセスに対し余裕を持った運用ができているとのこと。「これだけサーバー数を減らすことができれば、必要なソフトウェアライセンスを圧縮できるし、当然ながら電力や光熱費も大きく抑えることができます」と秋山氏は、Fusion-ioの技術の効果を説明する。

次のページ
SSDのRAID構成ではエンタープライズで求められる信頼性と高性能を両立するのは難しい

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4186 2012/08/31 15:43

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング