元Google Japan社長 村上氏が語る「ビッグデータ2.0」

続けて元Google日本法人会長の村上憲郎氏が登壇。「ビッグデータ2.0へ向けて」と題する特別講演が行われた。
電力網や家、家電製品など、あらゆるもののスマート化が始まっている。そして、従来人と人とを結び付けていたインターネットは、こうしたスマート化されたモノ同士を結び付けるInternet Of Things(IOT)へと進化しつつある。
スマート化の中心になると見られているのは電力網、スマートグリッドだ。まず始まっているのが人とモノの結びつけで、ドイツの電力会社が導入したスマートメーターは、電力使用量が一定量を超えると、ユーザーに「使いすぎ」とツイートする機能が話題になった。電力の見える化の次は、消費電力の制御、三番目に来るとされているのは独居老人などの「見守りサービス」だ。
実はその先、IOTにおける4番目のサービスはまだ見えていない。村上氏は、そこで大きな位置を占めるのがビッグデータと見ている。現在、Googleの技術から生まれたHadoopをはじめ、データマイニング、ニューラルネットワークなど、ビッグデータ近辺での技術が着々と整えられている。
村上氏はビッグデータには1.0と2.0の2段階があると考えている。1.0は文章で言えば構文解析であり、文中の品詞を言い当てる。人に置き換えるなら、性別、年齢、職業、年収、購買履歴などを解析することにより個の姿を見る。
一方2.0は、意味解析になる。人に置き換えると、行動履歴、生活パターン、ソーシャルネットワークにおける活動傾向などを見る中からその人となりを理解する。そこでポイントとなるのが、人間の介入を必要としない、自律的な解析技術だ。
すでに米国ではビッグデータ関連の研究を推進している。たとえば2012年3月、ホワイトハウス科学技術政策局は、2億ドルの巨費を投入するビッグデータに関するR&Dイニシアティブを発表した。「そこでは自律的という言葉が使われており、明らかに2.0をめざしている」(村上氏)。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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