Data DomainならOracle Databaseに最適なバックアップ手法となる
Data Domainの効率的な重複排除は、じつはデータベースのバックアップに最適だと志間氏は説明する。もともと、データベースでは挿入や更新のためのデータ・ブロックの空き領域や性別のように値が2つに限定されるようなカーディナリティ(cardinality)の低いデータがよく利用される。このようなデータベース特有のデータでは、重複排除の効率はきわめて高くなるのだ。さらに、前述したようにデータベースでは、インサートやアップデート処理を繰り返すことで、必ず空き領域が発生する。その際には、Data Domainの可変長ブロックでの重複排除は効率的だ。そのため、データベースのバックアップにData Domainを活用すれば、高い効果が期待できるのだ。
中でも、Data DomainはOracle Databaseとの親和性が高いとのこと。Oracle Databaseでバックアップを取得する方法には、exportコマンドを用いたり、標準バックアップツールのRMANを利用したりとさまざまな方法がある。これらのどの方法にも柔軟に対応できるのも、Data Domainの特長。アプリケーションやデータベースからは、Data DomainはたんなるNASあるいはSANのストレージデバイスとして見える。そのため、Data Domainがどのように重複排除を行うかなどを、データベース管理者はまったく意識する必要はないのだ。
なので、現状でバックアップサーバーを立ててテープ装置にバックアップを取っているような環境であれば、テープ装置をData Domainに入れ替えそれを新たにバックアップデバイスに設定するだけで、移行作業は終了する。バックアップサーバーで設定されているジョブスケジュール設定などの変更は一切必要なく、そのまま新たな環境で利用できる。
「Oracle ExadataのようにRMANでバックアップを取ることになっている場合にも、ExadataからRMANを使って直接Data Domainにバックアップを書き出せます。RMANのインクリメンタルマージにも対応しており、これを使ってバックアップを数世代保持するような場合は、世代間で重複するデータが多いのでそれを重複排除することでデータ量をほとんど増やさずに複数世代のバックアップを保持できます。」(志間氏)
さらには、Data Domainの重複排除処理の仕組みを、Oracleのライブラリとしても提供しているとのこと。これを利用すればRMANなどでバックアップを取る際に、データベース上でData Domainと同じ方法で重複排除が行え、さらに効率化し短時間でのバックアップが可能となる。莫大な量のデータのバックアップを行うような場合には、これはきわめて有効なものとなる。
データが増え続けていて、そろそろテープ装置でのバックアップに限界を感じている。あるいは大きなコストをかけずに、確実な方法でデータを守れる災害対策を早急に行いたい。そのように考えているデータベース管理者の方は、一度Data Domainによる新たな重複排除の世界に関心を寄せてみてはいかがだろうか。