HiRDBとHADBの開発キーマンに突撃インタビュー!
さて、次はいよいよ、DB設計部のオフィスフロアに潜入。
ひ、広い! めちゃくちゃ広い! そしてキレイ! ところどころには休憩スペースやミーティング机も設けられていて、いかにも落ち着いて仕事に専念できそうな快適空間だ。
ここで、忙しい業務時間中にもかかわらず突撃インタビューに応じてもらったのが、DB設計部でHiRDB開発プロジェクトのプロダクトマネージャーを務める熊谷さんだ。
──これまでずっと、HiRDBの開発に携わってこられたのですか?
熊谷さん そうですね。今年で日立に入社して12年目なのですが、2年目からずっとHiRDBの開発プロジェクトで仕事をしています。
──普段の開発業務では、どのような点に苦労されていますか?
熊谷さん これはHiRDBに限らず日立製品全般に言えることなのですが、新しいバージョンの製品を出す際、過去バージョンとの互換性を非常に大事にしています。お客さまの環境でデータベースを新しいバージョンのものに入れ替えても、アプリケーションがそのまま動き続けることを保証するわけです。これは、お客さまからは非常に高く評価いただいているところなのですが、開発やテストを行う側としてはどうしても過去のしがらみにとらわれる部分もあるので、苦労することが多いですね。
──逆に、HiRDBの開発ならではの楽しみや醍醐味はどんなところにあるのでしょうか?
熊谷さん やはり、国内でデータベース製品を一から作っているところはそうそうないので、データベースについて隅から隅まで知り尽くすことができる点が醍醐味だと思います。データベースにはコンパイラ的な要素やトランザクション管理、あるいは通信と、さまざまな技術要素が含まれているので、技術者にとっては大きなチャレンジになります。そのことに誇りを感じながらやってますね。
──お客さまから言われて嬉しかった一言などがあれば教えていただけますか?
熊谷さん データベースは、OSやストレージ、デバイスドライバなど、さまざまな周辺コンポーネントと連動しながら動作するのですが、何かトラブルがあったときに弊社内のOS部門やストレージ部門と連携して迅速に解決できたときには、お客さまから「さすが、日立のミドルウェアだね」という言葉をいただいたこともあります。
──なるほど。複数ベンダー間でたらい回しにせず、すべてワンストップでトラブルを解決できる点は、日立ならではの強みだと言えますね。ありがとうございました。
続いてインタビューに快く応じてくれたのは、2012年6月にリリースされたばかりの高速データアクセス基盤製品「Hitachi Advanced Data Binder プラットフォーム」(以下、HADB)の開発を担当する河井さん。HADBは、日立と東京大学の共同研究で生まれた高速データベースエンジンの研究開発成果(*1)を製品化したもので、社会インフラを支える次世代のビッグデータ処理基盤として高い注目を集めている。
(*1)これらの技術には内閣府が創設した最先端研究開発支援プログラムで採択された「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(東大、日立)で技術開発された成果が反映されている。
ちなみに、事前に関係者から「河井は『世界ふしぎ発見!』に出てくる『スーパーひとし君人形』にそっくりですよ!」と聞いていたのだが、いざご本人を目の前にしてみると……似てる! メガネを外して帽子を被れば、まさにスーパーひとし君!
──スーパーひとし君に似ているとお聞きしていたんですが……ご自分的にはそう言われることに不服だったりとかは……
河井さん いえいえ全然! むしろネタ的に面白いなと思ってますよ。実際、初対面の人にも「似てますね」と言われることもあるぐらいですからね!
──(良かった!)ところで、今までどのようなお仕事をされてきたのですか?
河井さん 日立に入社して今年で7年目になるのですが、初めは組み込みデータベース製品「Entier」の開発プロジェクトを、次にメインフレームのデータベース開発を担当しました。そして現在では、HADBの開発プロジェクトでハンドラ部分の開発を担当してます。担当製品は変われど、ずっとデータベース開発一筋ですね。
──HADBはかなり先進的な製品ですから、開発でもいろいろ苦労されたのでは。
河井さん 最も苦労したのは、どうやったらマルチコアCPUの性能を最大限引き出すことができるか、という点でしたね。これは技術的にかなり難しいテーマで、現在多くの人が研究を行っているのですが、私自身も開発に当たって何カ月も論文を調査しましたね。
──それは大変そうですね……
河井さん でも逆に言えば、先端技術に直接触れられる分、仕事はとても楽しいですよ! それに、HADBはまだ世に出たばかりの製品ですが、これから皆さんの社会生活をバックグラウンドで支えることになるであろう「未来の技術」の結晶ですから、その開発に直接携われるというのは技術者冥利に尽きますね。
──なるほど、HADBの今後に乞うご期待ということですね。ありがとうございました。