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企業競争力の強化を支えるために必要な「ソフトウェア開発」を幅広く議論―IBM Rational「Innovate 2012」レポート


「Next Now(次に取り組むべきこと。今すべきこと)」をテーマに都内で開催されたIBM Rationalのカンファレンス「Innovate 2012」。基調講演では渡辺公成ラショナル事業部長が登壇し、次に取り組むべきこととしてRationalが提唱する、「 Accelerated Delivery(デリバリーの加速)」を紹介。後半は東京海上日動システムズ代表取締役社長の横塚裕志氏とリクルートテクノロジーズ執行役員 CTOの米谷修氏が登壇し、「ソフトウェア・デリバリー」強化の重要性について、トークセッションを行った。  

 今年で8回目を迎えたIBM Rationalのカンファレンス「Innovate 2012」。10月30日に開催された同イベントの口火を切ったのが、日本アイ・ビー・エム 理事 ソフトウェア事業 ラショナル事業部 事業部長 渡辺公成氏の基調講演だ。

日本アイ・ビー・エム 理事 ソフトウェア事業 ラショナル事業部 事業部長の渡辺公成氏

 冒頭で渡辺氏は「今日は私たちIBMラショナルにとっても、記念すべき一日になるだろう。なぜなら今日は『Accelerated Delivery』を実現するいつかの製品の発表があるからだ」と前置きしたうえで、ソフトウェア開発において「Accelerated Delivery」が今、求められる理由について説明した。

ソフトウェア開発を変革する「Accelerated Delivery」

「情報のデジタル化」でビジネスのあり方やライフスタイルが急速に変化

 近年、ビジネスのあり方やライフスタイルは急速に変化している。渡辺氏は、その背景の一つが「情報のデジタル化」だとし、アップルを例に次のように説明。

 「1982年に音楽がデジタル化され、2001年にアップル社から初代iPodが発売されたことをきっかけに音楽のあり方は急速に変わった。なぜなら、これまでの携帯プレイヤーと違い、アップル社は、より簡単に音楽が手に入るよう、iPodの発売と同時に音楽配信サービスも提供したことにある」(渡辺氏)。

 渡辺氏は音楽の他にも複式簿記や印刷についても発展の過程を取り上げ、デジタル化された以降の急速な発展についても紹介した。

システム開発においても、「コンシューマライゼーション」は無視できない要素

 もちろん、デジタル化だけではない。「コンシューマライゼーションもビジネスやライフスタイルの急速な変化要因となっている」(渡辺氏)。

 ソーシャルメディアはその代表例だ。現在Facebookユーザーは約10億人に達し、1分間に68万もの投稿があるという。そのほかにもYouTubeでは1分ごとに48時間分の画像データがアップロードされ、Twitterでは10万ツイートされる。そんな強力なITツールに発展したからこそ、2011年にはソーシャルメディアでの呼びかけによって発生した「アラブの春」は、歴史上初めてカリスマ的なリーダーが存在しない大規模反政府運動となったと強調した。

 「現在は、こうした消費者先導で破壊的テクノロジーが生まれている。したがってシステム開発においても、コンシューマライゼーション、いわゆる顧客の志向やライフサイクルの加速的変化は無視できない要素。複雑化しますます加速するビジネス環境の変化に対応し、さらにはシステム開発の現場が抱える問題を解決する答えとしてRationalソフトウェアが用意したのが『Accelerated Delivery』だ」(渡辺氏)。

新製品「SmartCloud Continuous Delivery」、「Mobile Development Lifecycle Solution」の提供を発表

 続けて渡辺氏は、Accelerated Deliveryソリューションを構成する製品を紹介。例えば「Rational Focal Point」は、事業部門と開発部門との間のコミュニケーション不足を解消するためのソリューションだが、「IT開発の現場だけではなく、製造業のお客さまが製造の優先度を決めるために使用する事例も登場している」と渡辺氏。

 またアジャイル開発を実現するためのソリューションとして、コラボレーティブ・ライフサイクル・マネージメントを構成する「IBM Rational Requirements Composer」や「IBM Rational Team Concert」「IBM Rational Quality Manager」などを紹介。

 また、渡辺氏は、開発と運用の一体化するコンセプト“DevOps”を実現する統合ツール「SmartCloud Continuous Delivery」やモバイルアプリ開発プラットフォームであるWorklightをベースにした「Mobile Development Lifecycle Solution」など、新製品の発表も行った。

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企業競争力の強化を支えるために必要な「ソフトウェア開発」のあり方

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

教育大学卒業後、大手化学メーカーに入社。その後、ビジネスや技術に関する専門雑誌や書籍を発行する出版社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランスライターとして独立。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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