SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

システム担当者のための今さら聞けないストレージ再入門

データに天寿を全うさせる~情報ライフサイクル管理のお話(2)

第13回


不思議なものでデータを消すという行為は非常に大きなためらいを伴うものだ。特に多人数で利用する企業内のサーバーに至っては、誰もデータを消すことができないため、データは無限に増殖していくことになる。ディスクが有限である以上、データとの付き合い方を知っておくことは重要だ。今回はデータのライフサイクル管理についてお話する(前半はこちら)。

引越しの影響は大きい

 情報の価値に変化が起こったら、その価値に応じてデータの配置先を変更すれば済むのだが、このデータの配置先変更という操作は意外に難しい。多数の人間やプログラムがそれぞれデータの配置場所を意識して活動しており、その置き場所が変わってしまうと参照できなくなってしまうからだ(図13-6)。

図6. データを移動すると見つからなくなる
図6. データを移動すると見つからなくなる

 これは黙って引越しをされてしまうと、年賀状を届けられなくなってしまうのと同じだ。手紙の場合、住所移転届けを郵便局に届け出ていれば、一定期間郵便物を転送してくれる。データの引越しに際しても、このような仕組みがないとシステムに支障が発生することになる。

引越しが容易なDFSMS

 郵便物を転送してくれるように、データが移動しても問題なくアクセスが可能なシステム環境を実現しているのがIBMのホスト系OSであるz/OS環境で実現されるDFSMS(Data Facility Storage Management Subsystem)だ。DFSMSではデータ(ファイル)の置き場所をカタログという仕組みを使って管理している。

 カタログにはファイルが配置されている場所が記録されているので、カタログを見れば、目的のファイルのありかが突き止められる。このカタログを参照する、カタログに記録するという操作はOSの基本的な動作に含まれているので、データを移動させるユーティリティー・プログラムなども当然この作法に従ってデータを移動させる。故に何処にデータが移動しても、ユーザーがデータのありかが判らなくなるということはない。

 この他にもDFSMSではデータを圧縮してディスクに保管したり、テープへ移動させたりするような機能も備えている。テープ内に保管されているデータを参照しようとすると、そのデータは自動的にテープからディスクへ戻される。ユーザーはディスク内に戻ってきたデータにアクセスする仕組みだ。

 当然ながら保管期限の設定などもでき、保管期限を過ぎたデータは満了日処理として自動的に削除させるといった機能も備えている。DFSMSは「大切なものは大切な所へ、そうでないものはそれなりに、いらないものは処分する」という運用を実現したという点で、現存するストレージ管理システムの最高峰の地位にあると言える。

次のページ
同姓同名を許せますか

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
システム担当者のための今さら聞けないストレージ再入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

佐野 正和(サノ マサカズ)

1986年日本アイ・ビー・エムの入社、本社SE技術部門で13年間ストレージ製品を中心に技術サポートを行なう。1999年にストレージ製品事業部に移り、以後、IBMストレージ製品の営業推進やソリューション推進、製品企画などの業務に携わる。現在、システム・ストレージ事業部でソリューション担当部長を拝任し、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/436 2008/12/09 12:19

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング