データモデル作成のポイント
ビジネスの静的側面を表すデータモデルは、トップダウン中心でリソースモデルを、ボトムアップ中心でイベントモデルを作る。
リソースモデルについては、ビジネスルールから作るのが基本だが、データモデルパターンの活用も有効だという。例えば、ビジネスルールなどがうまくまとまらない場合に、トップダウンモデリングの一環(代わり)として使用することができる。また、データモデルパターンと自社のモデルとの差異に着目し、それが明らかな「強み」なのか、あるいは、慣習など理由不明なもので「改善すべきポイント」なのかを判断するといった使い方も可能だ。
業務の流れの中で発生するイベントモデルについては、業務フロー(ビジネスフロー)や業務の流れを表す画面イメージから抽出し、項目として落とし込んでいく。
データモデル作成の留意点として、赤氏は、各エンティティの存在価値が明確になっていること、所属するフィールドの1つ1つに対しての「5W2H」が明確であることなどを挙げた。フィールドの“価値”がきちんと認識されていれば、格納されたデータの価値は増大する。ちなみに「5W2H」とは、通常の「5W1H」に「HowMany(量)」を加えたものだ。
データモデルを現場のユーザーに理解してもらうためには、「目に見えるもの」を提示することも必要だ。データモデルを現場のユーザーに見せても、おそらく理解できない。そこで、マスタ登録画面イメージや、フィールド一覧としてのエンティティなどを切り出し、提示して1 つ1つ確認していくといった地道な作業が求められるのだ。