SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

不確実な時代の「戦略投資の意思決定」入門講座

リスクの伴う大型投資をいかに組織として意志決定するのか?大手企業の戦略投資の取組み

(第2回) 


前回は、なぜビジネスシミュレーションが必要なのか、そして、企業におけるどのような問題解決に役立つのかを説明しました。戦略投資の意思決定では、問題が実に山積みなのですが、今回はそのような問題の解決に、ビジネスシミュレーションを活用している企業の事例を3つ紹介します。それぞれの事例について、ビジネスシミュレーションを採用した目的と、どのように活用しているかを見てみましょう。

戦略投資を成功させる、企画担当者と意思決定者の「共通言語」と「一貫した評価」

戦略投資の意思決定は、組織的な取り組み

 この連載が掲載されているビズジェネでは、新規事業に関するコンテンツが実に豊富です。個人のスキルアップに大変役立つ、と思ってご覧になっている方も多いのではないかと思います。

 しかし、戦略投資の意思決定は、一部の個人がスキルアップしただけでは、なかなかうまく行かないのです。投資を企画する担当者と、その実行を許可する意思決定者が、目的を共有して納得感の高いコミュニケーションをすることが必要です。たとえば企画担当者が、新たな分析を活用して意思決定者に説明したとします。しかし、意思決定者がその分析を理解しなければ、意思決定者にとってその分析は単なるブラックボックスに過ぎず、全く役に立ちません。逆に、あいつは無駄な分析しやがって、相当ヒマなんだな、と思われてしまったりします。そんな事態を避けるためには、組織として戦略投資の意思決定に取り組むイメージを、最初から持つと良いと思います。

一貫しない評価は、何もしないよりも悪い

 組織として取り組むことは、意思決定者にも大きなメリットになります。「一貫しない投資評価は、何もしないよりも悪い(Inconsistent valuations are worse than none.)」というのは、戦略投資の意思決定を担当していたある製薬会社のCFO(最高財務責任者)の言葉です(注1)。

 たとえば、予算の枠が限られている場合(たいていそうだと思いますが)には、戦略投資を取捨選択しなければなりません。その際、戦略投資を評価検討する仕組みができておらず、案件ごとに長所短所の説明方法が異なっていると、案件を比較して意思決定することが難しくなってしまいます。そんなことなら、そもそも余計な分析をせずに、最初から自分に考えさせてもらいたい、という意味なのでしょう。

 (注1) 出所:How SmithKline Beecham Makes Better Resource-Allocation Decisions, Harvard Business Review, March-April 1998

次のページ
戦略投資は不慣れな事業の意志決定-社会インフラ企業の“説明する仕組みづくり”

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
不確実な時代の「戦略投資の意思決定」入門講座 連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小川 康(オガワ ヤスシ)

インテグラート株式会社代表取締役社長東京海上火災保険に勤務後、ペンシルバニア大学ウォートンスクールのイアン・マクミラン教授の研究センターに2年間勤務し、不確実な時代のビジネスプランニングを学ぶ。ブーズ・アンド・カンパニーを経て現職。インテグラートは、研究開発投資や新規事業投資、M&A等の戦略投資の計画立案と意思決定を支援するビジネスプランのシミュレーションソフトを開発・販売し、関連するコンサルティング・研修を提供している。著書に『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4568 2013/05/11 00:29

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング