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執筆記事
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2014/02/07
「競争優位の戦略論は、もう時代遅れである」/企業戦略の根底を支える新たな方法論とは?
本書は、新規事業開発研究の第一人者でコロンビア・ビジネススクール教授のリタ・マグラスが昨年6月に出版した著作です。マグラス教授は、この3年程度で最も多くハーバード・ビジネス・レビュー誌に取り上げられている、アメリカのビジネス界注目の研究者の一人です。私(小川)は、1998年に初めてマグラス教授に会って以降、度々意見交換の機会をいただいてきました。マグラス教授の研究テーマの推移についても紹介してみたいと思います。
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2013/12/04
事業ポートフォリオの最適化-複数のプロジェクトを部分ではなく、全体最適する方法とは?
「選択と集中」という考え自体は特に目新しいものではありませんが、適切に「選択と集中」を実行する方法となると、大変難しいものです。なぜ難しいかといえば、全体を一貫した考え方で俯瞰することを求められるからです。前回までは、個別の戦略投資の意思決定について、具体的な考え方と感度分析(トルネードチャート)、リスク分析(モンテカルロシミュレーション)などの分析・シミュレーション手法を説明してきました。今回は、複数の事業(事業ポートフォリオ)に対して、限られた経営資源の最適配分を実現する、事業ポートフォリ...
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2013/10/01
「戦略意思決定手法」 (2)分析・シミュレーションを活用し、複雑で不確実な事業を直感的に理解する
前回は、戦略意思決定手法のなかで、曖昧で複雑な考えを整理する手法をご紹介しました。前回ご紹介した「デシジョンヒエラルキー」、「ストラテジーテーブル」、「インフルエンスダイアグラム」を活用して、まずは自分の考えを整理し、同僚や意思決定者と共有してみることをお勧めいたします。しかし、企画者が考えてきたことを同僚や意思決定者に理解してもらうのは、そのアイデアの新しさや不確実性のために、かなり時間と手間がかかるものです。そこで今回は、直感的な理解を可能にする分析やシミュレーションをご紹介します。感度分析...
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2013/07/31
スタンフォード式「戦略意思決定手法」とは?(1)不確実な環境での判断に有効な「フレーミング」
前回は、仮説検証型のビジネスプランニング手法「仮説指向計画法(Discovery-Driven Planning)」をご紹介しました。計画・実行開始時点で、成功に必要な条件・失敗に至る条件を仮説として洗い出し、事業の成功まで仮説検証を行いながら進めて行く、という方法論でした。しかし、組織では、一般的に企画者と意思決定者が異なるため、必然的に意思決定の問題が生じます。また、毎回個別対応をするのではなく、意思決定のプロセスを整備したいものです。そこで、今回から、組織の意思決定の質を高める「戦略意思決...
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2013/06/25
クリエイティブな組織を創造する10のガイドラインと7つのツール
圧倒的な「質と量」のMBAプログラムを提供し、世界のビジネスをリードするペンシルバニア大学ウォートン・スクール。先月行われた「ウォートン・グローバル・フォーラム・東京2013」には卒業生を中心に約650名が参加し、ウォートン教授陣・パネリストと最先端の知識を共有した。イベントレポート第4回(最終回)は、ジェリー・ウインド教授による、イノベーションを起こす組織創造をテーマにした講義「創造的組織を創造せよ」を紹介する。文章ではなかなか伝えにくいが、ウインド教授の熱意が溢れる、大変印象的な講義であった...
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2013/06/11
“2つの統合”が鍵になる大学の未来-「専門教育とリベラルアーツ」、「オンライン教育とクラス教育」
圧倒的な「質と量」のMBAプログラムを提供し、世界のビジネスをリードするペンシルバニア大学ウォートン・スクール。本企画では、5月24・25日に開催された「ウォートン・グローバル・フォーラム・東京2013」を4回に分けて報告する。前回は、グローバル・フォーラムの前に開催されたジャーナリスト向けセミナーのフランクリン・アレン教授の講義内容をレポートした。今回は、開会式における、ペンシルバニア大学学長、エイミー・ガットマン氏の講演を中心にお届けする。
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2013/06/03
「金融危機とアベノミクス」-グローバル・ファイナンスの看板教授はアベノミクスをどうみるか?
圧倒的な「質と量」のMBAプログラムを提供し、世界のビジネスをリードするペンシルバニア大学ウォートン・スクール。ウォートンは、報道関係者に向けて、最新の経済状況への知見を提供するセミナーを開催している。その45年にわたる歴史の中で、今回初めてそのセミナーが東京で開催された。今回掲載するアレン教授は、元米国金融学会の会長であるとともに、数多くのティーチング・アワードも受賞している、実力と人気を兼ね備えたウォートンの看板教授の一人である。本企画では、4回に分けて、フォーラムの内容を報告する。