SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

BIZ Press

クリエイティブな組織を創造する10のガイドラインと7つのツール

世界最高のビジネススクール「ウォートン・グローバル・フォーラム・東京2013」レポート(第4回)


圧倒的な「質と量」のMBAプログラムを提供し、世界のビジネスをリードするペンシルバニア大学ウォートン・スクール。先月行われた「ウォートン・グローバル・フォーラム・東京2013」には卒業生を中心に約650名が参加し、ウォートン教授陣・パネリストと最先端の知識を共有した。イベントレポート第4回(最終回)は、ジェリー・ウインド教授による、イノベーションを起こす組織創造をテーマにした講義「創造的組織を創造せよ」を紹介する。文章ではなかなか伝えにくいが、ウインド教授の熱意が溢れる、大変印象的な講義であった。以下当日の講義を講義録として、ポイントを紹介する。

クリエイティブな組織を「創造する」10のガイドライン

 あなたの組織の課題は何だろうか?あなたは組織のために、何を達成したいと願っているだろうか?たとえば、優秀な人材の採用、メンバーの意欲を高めること、知識を共有・活用すること、そして、創造的であること。このような課題の解決には、正しいツールが存在し、役に立つ。今から示す具体的な活動を、是非あなたの組織で実行してもらいたい。

ジェリー・ウインド教授

 CREATIVITYの頭文字をとって、下記のガイドラインを提示する。

  • C(Culture):組織の文化こそ成功のカギ
  • R(Reexamine):先入観を打破する
  • E(Empower):関係者全員に働きかける
  • A(Align):目的とインセンティブを結びつける
  • T(Tools):創造的な選択肢を生み出すツールを活用する
  • I(Iterative):実験の反復と修正
  • V(Virtual):バーチャルな、開かれた、ネットワーク型組織
  • I(International):国際的で、分野横断的な視点
  • T(Talent):才能ある人材を、探し、育て、確保する
  • Y(Yield):創造性が割に合うか、測定する

組織の文化づくりには、徹底した取り組みが必要

 組織の文化を作り上げるには、どういう姿を目指すのか。例を見せてみよう。

 たとえば、新たな表現に挑戦してきた芸術家の作品をメンバーに見せてみる。このような芸術家が、どれほど大胆な挑戦をしてきたか、メンバーに伝えよう。このような取り組みに始まり、会社が行うあらゆることが、文化に結び付けられていなければならない。徹底的な取り組みを抜きにして、文化など定着しない。そして、これから述べるいくつもの取り組みも、互いに繋がっており、組織の文化となっていくものである。

あなたの組織の先入観を打破しよう

 犯罪率が高く、ドラッグがはびこり、人々が貧困に喘ぐ。これは、都市の内部でも起きているし、新興国でも起きている。しかし、多くの企業は、新興国にビジネスチャンスがあると考え、都市の内部には見向きもしない。起きていることは同じなのに。

 たとえば、都市の内部の市場を、国内新興市場と呼んでみてはどうだろうか?先入観を打破するために、呼び名を変えてみるのだ。「おや?」と思えばしめたものだ。

 皆さんは、ロジャー・バニスターを知っているだろうか?かつて、1マイル走で4分を切ることは、人類には不可能だと思われていた。それは肉体的限界だ、という先入観に縛られていたのである。しかし、ロジャー・バニスターが4分の壁を破った。すると、その後の3年間で、何と16人が4分の壁を破ったのである。実は、4分の壁は肉体的限界などではなく、先入観に過ぎなかったのだ。このような、先入観、即ち、「4分の壁」に、皆さんも突き当たっていないだろうか。あなたの組織には、あなたの組織の成功を阻む「4分の壁」があるのではないか?ロジャー・バニスターのように、先入観の壁を打破していこうではないか。

 世界では、たくさんの画期的な製品が生みだされている。これらの製品に共通しているのは何だろう?よく考えてみよう。

これらのイノベーションに共通しているものは何か?

 それは、「先入観を打破」しているのだ。スターバックスも良い例だ。コーヒーはありふれたもので、コーヒーを売るには、値段を下げるしかない、と誰もが思っていた。しかし、スターバックスは、従来よりも高い値段で、コーヒーを世界中に売りまくっているのである。今まで当たり前、と思われていたことを覆すことがイノベーションなのだ。

次のページ
創造的取り組みとリスクテイクを賞賛しよう

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
BIZ Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小川 康(オガワ ヤスシ)

インテグラート株式会社代表取締役社長東京海上火災保険に勤務後、ペンシルバニア大学ウォートンスクールのイアン・マクミラン教授の研究センターに2年間勤務し、不確実な時代のビジネスプランニングを学ぶ。ブーズ・アンド・カンパニーを経て現職。インテグラートは、研究開発投資や新規事業投資、M&A等の戦略投資の計画立案と意思決定を支援するビジネスプランのシミュレーションソフトを開発・販売し、関連するコンサルティング・研修を提供している。著書に『...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4808 2013/06/27 23:41

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング