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『ワーク・シフト』の原著者が語る、これからの働き方“3つのシフト”とは?

『ワーク・シフト』著者、リンダ・グラットン教授来日記念セミナー


2013年2月6日、六本木のアカデミーヒルズにある六本木スクールにて開催された「『ワーク・シフト』著者、リンダ・グラットン教授来日記念セミナー―未来の働き方はあなたがつくる―」には約500人もの人が集まり、2時間にわたる講演会が実施された。前半は、リンダ・グラットン教授の講義、後半は『採用基準』の著者でキャリア形成コンサルタントの伊賀泰代氏との対談が行われた。ここでは、リンダ・グラットン教授の講演を『ワーク・シフト』の内容を加味しつつレポートする。

“ワーク・シフト”を誘発する5つの要因

 講演会ではリンダ・グラットン教授がなぜ『ワーク・シフト』を書こうと思ったか、から始まった。

 リンダ・グラットン教授の書籍は今回で7冊目である。この5年間で様々な国を訪れ、世界中で変化が激しくなっているのを肌で感じてきた彼女は、その変化が組織に影響し、そして生活にも影響をあたえるものだと感じた。4年間「働き方コンソーシアム」で将来の働き方に関する調査を行い、その集大成のひとつとしてこの『ワーク・シフト』が出来上がったのだ。

 リンダ・グラットン教授は、人々の働き方に影響する<5つの要因>と、それに対応するための<3つの働き方のシフト>を解説した。

 リンダ・グラットン教授は5つの要因として以下を挙げる。

1.テクノロジーの変化

 アフリカでは、マサイ族が携帯電話を使っていること、教育のIT化が進んでいることなどを例に挙げつつ、テクノロジーが社会に影響を与えていることを述べた。

2.グローバル化の進展

 リンダ・グラットン教授の住むロンドンでは、イギリス人だけでなく、他の人種も増えていることを例に挙げていおり、その流れは企業にも、多様性を求め始めるだろうと述べた。日本では、まだ人種の多様性はあまりないが、長期的には、そのような傾向は持続せず、日本でも多様化していく傾向にある。

3.人口構造の変化と長寿化

 日本の高齢化は社会問題と化しているが、これと全く同じ事が20年後の中国でも起きるだろうと予測。自分が年を取った時に何をするかを考えつつ、仕事への取り組み方を変えるべきであろうと言う。

4.社会の変化

 デンマークでは単身世帯の方が、複数世代で暮らしている家庭よりも多いことや、離婚の増加などを例に挙げつつ、社会の変化を取り上げた。

5.エネルギー・環境問題の深刻化

 第一の資源は石油ではなく「水」であるとし、地下からの水はもう底をつき始めていると言い、将来は水という資源と二酸化炭素に悩まされる社会になるという。

ロンドン・ビジネススクール リンダ・グラットン教授

 こうした5つの要因をもとに、リンダ・グラットン教授は2つの未来の状況を掲げる。

「漫然と迎える未来」と「主体的に築く未来」だ。「漫然と迎える未来」では世界は二極化し、中間層の仕事はテクノロジーによって取って代わられる。仕事も在宅勤務がほとんどになり、孤独を感じる。一方、「主体的に築く未来」では、皆が協力的で、お互いに関わりあいながら生活しており、人々は充足感のある暮らしを営んでいるのだ。そうした中、我々が「主体的に築く未来」に向かうために、リンダ・グラットン教授は以下の3つのシフトを提示する。

次のページ
(1)「専門性の質」とブランディング、(2)人的ネットワークのシフト

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慶應義塾大学SFCデザイン思考研究会(ケイオウギジュクダイガクエスエフシーデザインシコウケンキュウカイ)

  イノベーションツールの1つである「デザイン思考」の普及活動に取り組む。研究会が翻訳したスタンフォード大学d.school発行の『デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド』は公開3日で2万件ダウンロード。イノベーション実践のためのデザイン思考ワークショップは常に満員で、企業向けのイノベーター育成プログラムも提供している。問題発見・問題解決を行うクリエイティブクラスに向けた、10年後の知識社会で活躍するための学習環境づく...

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