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ラグビー日本代表のデータ分析力―分析結果をいかに選手にフィードバックするのか


ラグビー日本代表のデータ分析について、ストレングス&コンディショニングコーディネーター ジョン・プライヤー氏に話を聞くことができた。前編ではおもに、どのようなデータを収集しているのかについてきいたきた。後編では、具体的なデータ活用について掘り下げていく。

日本が強くなるために必要なワークレートの高さとは

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ジョン・プライヤーさん

 日本ラグビーの最高レベルであるトップリーグ、2012-2013シーズンはサントリーサンゴリアスが優勝した。レギュラーシーズンを全勝して1位でプレイオフに臨み、プレイオフトーナメントでも勝利を続けて見事優勝を手にした。シーズン中、一度も負けることなくチャンピオンになったのは、リーグ発足から10年、初めてのことだった。

 このサントリーサンゴリアスに、元オーストラリア代表のフォワード、ジョージ・スミス選手がいる。日本のトップリーグには、ニュージーランドやオーストラリア、南アフリカといったラグビー強豪国の代表レベルの選手が、いま多数参加している。中でもこのスミス選手は別格、オーストラリア代表での経験が110キャップ(ラグビーでは国代表同士の試合に出場回数をキャップ数と表現)、まさにスーパースターの1人なのだ。もちろん、今回のサントリーサンゴリアスの優勝にも大いに貢献、シーズンMVPを昨年に引き続き獲得している。

 このスミス選手、ワークレートの高い選手として有名だ。相手にタックルする。すぐに起き上がって、またタックルの体勢に入る。そして、ボールを持てば突進し、タックルを受けて味方にボールを渡せば、すぐにパスを受けられる場所に移動する。もちろん密集のボールの争奪戦にも次々と参加してと、とにかく試合中常に無駄なく動き、80分間高いレベルでプレイを継続するのだ。

 このワークレートの高さは、前回紹介したGPS端末で収集したデータを見れば一目瞭然だ。その選手にとってのトップスピードで走っている割合が、1試合中の何%の時間を占めているかといったことが容易に把握できる。スミス選手はこのハイ・インテンシティ・ランニング(High Intensity Running)の割合もかなり高いし、その際の速度もトップレベルなのだ。各種データが、彼のワークレートの高さが当然ながら世界でもトップレベルにあることを証明している。

 選手の試合中のワークレートを上げることは、強いチームを作りゲームに勝つためには重要だ。日本代表のメンバーでもフォワードの畠山選手、大野選手、スタンドオフの小野選手などは、世界レベルで見ても極めて高いワークレートを誇る選手だと、ラグビー日本代表のストレングス&コンディショニングコーディネーターのジョン・プライヤー氏は言う。小野選手は身長171cm、体重82kg、ラグビー選手としてはかなり小柄な選手であり、外国人選手との体格差はプレイ上かなり不利な面もある。しかし彼が、現在の日本代表の重要な司令塔であるのは間違いない。

 彼が代表選手として選ばれているのは、ラグビースキルが高いことだけでなく、この高いワークレートを誇っていることも理由の1つなのだろう。日本代表の選手たちは、他の競合国の選手よりも体格的には小さいのは事実。そのハンディを覆し日本が強くなるには、このワークレートを向上するのが、1つの目標であり指標となるわけだ。

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ワークレートが高いことは重要だがそれだけで勝てるわけではない

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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