SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

DB Press

キーワードは「トライブ」と「予測市場」、IT部門はその変化に追随できるのか


リサーチ会社のアイ・ティ・アールが、年次カンファレンスである「ITRエグゼクティブ・フォーラム IT Trend 2013」を開催した。基調講演のステージに登場したアイ・ティ・アールの代表取締役 プリンシパル・アナリストの内山悟志氏は、日本のITを取り巻く現状について解説し、今後10年でどのような変化が訪れるのか、さらにはその変化の中でITシステム部門はどう進化すればいいかについて講演を行った。

調査結果から見える遅々として進まないITを取り巻く環境

アイ・ティ・アール 代表取締役 プリンシパル・アナリスト 内山悟志氏
アイ・ティ・アール
代表取締役 プリンシパル・アナリスト
内山悟志氏

 「正直なところ、2012年のIT投資はぼちぼちでした。ほぼ横ばいという企業がほとんどでした」

 これは、同社が毎年実施している企業のIT投資動向調査の結果から出た言葉。リーマンショック以降、数年が経過し若干回復の兆しがあるものの、お金をどんどん使う時代からコスト削減を行い、削減分を投資にまわすという低成長時代に入っていると分析する。企業がIT投資先としてもっとも重要視する領域は、3年連続でIT基盤の統合、再構築というIT構造改革が入っている。この他にもビジネスプロセスの可視化、最適化、情報、ナレッジの共有、再利用環境の整備などの重要度が高い。とはいえ、これらは重要度は高いが、現時点での達成率はまだまだ低い。

 一方で、ビッグデータの分析、活用、ソーシャル・テクノロジーのビジネスへの活用といった最近流行の領域については、重要度はまだあまり高くない。「これらはまだ話題先行ということになります。バズワードから企業が実際に取り組むまでには、タイムラグがあります」と内山氏。

 アイ・ティ・アールでは、10年前に行った調査を2012年にも同じ内容で実施し、10年間でのIT部門の実績についても調べている。その結果から、この10年でもっとも実績が上がっているのは、コンピュータ利用の基準化やその文書化、あるいはシステム監査の実施となっている。これらについては企業が積極的に取り組んできたとも言えるが、個人情報保護法やJ-SOXなどへの対応に振り回された10年だったとも捉えられる。

 また、この10年間ほとんど進んでいないのが、一般社員による情報システム部門の活動への理解、そして経営レベルでの自社情報システムの位置づけ向上といった領域だ。これらの結果からも、この10年は守りの戦略を情報システム部門はとっており、ビジネスをプラスに転じる戦略はほとんど行えていない状況が見て取れる。

 さらにこれを裏付けているのが、情報システム部門の「3大永遠のテーマ」だ。情報、ナレッジの共有、再構築環境の整備、全社的なコンテンツ管理インフラの整備、マスターデータの統合。これら3つは、ビジネスをプラスにするITの活用領域であるが、常に重要な投資項目に挙げられているにもかかわらず、3年後の実施率がほとんど上がっていない。この永遠の課題に共通するのが、投資をしてもすぐに明確な効果が現れないものであること。そして、情報システム部門だけでなく、ユーザー部門を巻き込まないとうまくいかないものであることだ。

次のページ
これからは組織のあり方も意思決定プロセスも変化する、ITはそれに対応しなければならない

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/4814 2013/05/17 11:30

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング