お客さんから好評だったのが「redaction」
谷川:ところで、ヒートマップはAdvanced Compressionの機能だから使いたければ別途買う必要があるけど、導入の敷居は比較的低いと感じているけれど。
近藤:人気のオプションですね。
谷川:圧縮は効果が分かりやすいからね。当然ヒートマップも一緒に使ったほうがいいよね。
近藤:パーティションとも相性がいいので一緒に使うと効果が出やすいです。あとユーザーからは「圧縮をどれにしたらいいか?」という質問が意外に多いです。そんなときにもヒートマップを。
谷川:一般的なRDBで圧縮の選択肢が豊富というのは珍しいかもね。使い分けできるのはいいね。
近藤:圧縮ではありませんが、データを減らす方法としてデータを見えなくすることもできます。これはどのエディションでもできるのでオプション購入は不要です。
谷川:具体的にはどうしているの?
新久保:論理削除です。この機能用に疑似列ができて、trueのものだけ表示するようなイメージです。
谷川:削除フラグみたいな?アーカイブ扱いだから復活はできるのかな。指定するときは条件設定してSQLとか?
新久保:削除フラグを立てるためのPL/SQLのパッケージがあるんです。中には手で書いているオトコな人も(笑)
谷川:「これは要らない」って1件、1件、手で書き換えて?
新久保:やったことないですけど、その人の手順はそうでした。
谷川:すごいな。圧縮のアルゴリズム自体は変わらない?
近藤:基本的には変わりません。ただOLTP圧縮はこれまであるタイミングでフォアグラウンドでやっていたけど、バックグラウンドでやるように変わりました。データを一度にロードしたり変更するようなトランザクションへの影響を最小限にできます。
谷川:圧縮やヒートマップに関係するところで、ベータ版のフィードバックで何か興味深い声とかありましたか?
近藤:そこに特化したものとなると目立つものはなかったような。逆にパフォーマンスが悪くなったりすると必ずフィードバックがあるので、パフォーマンスに影響なく使えていたんだと思います。
新久保:ヒートマップで効果を出すとなると長期間運用する必要があるからでは?
谷川:それもありそうだね。
近藤:テストでは擬似的に日付を進めることはできますけどね。
谷川:これに近い話で、アプリケーションのテストは録画と再生というイメージなので、早回しができるといいなと思う。
近藤:SQLを流す間隔は短く設定できるんですけどね。SQLの実行時間自体は早回しできないので、全てを倍速というのは難しいですよね。
新久保:テストといえば、お客さんから好評だったのが「redaction」です。テストだけではなくて実運用でも使いたいと。ただ最初はData Masking Packと混同していました。マスキングパックはデータファイルを書き換えてしまう。12cだとオンザフライで水際で書き換える。これはいいと思いました。リスクも少ない。
谷川:もとデータではなく、出た結果がマスキングされて表示されるということだよね。確かAdvanced Security Optionの追加機能。redactionだとアプリケーション次第では想定していない値が返ってきてエラーにならないかな?
新久保:それはありそうですね。
谷川: 実際にテストで使うかどうかは別として、redactionの便利さは実際に試して既存のアプリケーションなどがどのような動きを見せるか確認したくなる機能の1つですね。
* * *
さて、3回にわたり、カタログやWebサイトでOracleから発信されている情報では掴みきれない「新しくなった12cの中身の、本当のところ」について、Oracle ACEでもあるインサイトテクノロジーの新久保さんに話を伺ってきました。まだまだ新機能もたくさんあり、話は尽きません。一連の話を訊いていて感じたのは、さすがのメジャーバージョンアップ、興味深い工夫がいろいろとなされているなぁということ。これはすぐに使うべきでしょうという機能もあれば、取り組みとしては画期的だけどこれからさらなる進化をするだろうなぁというものもありまります。とにもかくにも、エンジニアならばそれらを実際に触って、自分自身が実感し理解すべきでしょう。テクノロジー進化の速度はどんどん上がっています。みなさんそのキャッチアップに、出遅れないように!
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