イノベーションに効く洋書01:“Ten Types of Innovation: The Discipline of Building Breakthroughs” 前編
(第1回)
イノベーションを実現する「10の型」は“イノベーションデザインの仕組み”
製品だけに頼らずにイノベーションを実現するには、どうすれば良いのでしょうか。今回と次回で紹介する、“Ten Types of Innovation”では、製品だけではない「10の要素」を考慮し、それらを複数組み合わせることでイノベーションを実現できる確率が高まる、と紹介しています。
それぞれの要素の概要をまとめたものが次の図です。

10の要素を見てわかるように、製品自体は「提供物(Offering)」全体のなかで、「製品パフォーマンス(Product Performance)」でしかありません。イノベーションを興す際に必要なものは、イノベーションを生み出すための「基本的な構造(Configuration)」を社内に持ち、「提供物(Offering)」を顧客が感じる「経験(Experience)」を考慮しながら届けるという仕組み全体を考える必要があります。
本書の核となるこの「10の型」は、そのような仕組み全体を考える際に、漏れがないようにするための有用なチェックツールとしても使えます。ただし、本書ではこの「10の型」を単なるチェックツール以上のものとして使うための、さまざまな応用方法を紹介しています。
今回は概論部分である前半の内容を紹介しました。次回は、“Ten Types of Innovation”の本質的な内容である、実践部分(イノベーティブな企業の分析、業界分析、自社のイノベーション)を紹介した後半の内容を紹介します。
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- この記事の著者
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新井 宏征(アライ ヒロユキ)
SAPジャパン、情報通信総合研究所を経て、2013年よりプロダクトマネジメントに特化したコンサルティング会社である株式会社スタイリッシュ・アイデアを設立。2006年に『プロダクトマネジャーの教科書』を翻訳出版後、企業に対するプロダクトマネジメントの導入や新規事業開発、製品開発の支援を行っている他、「プロダクトマネジャー養成講座」を開講し、プロダクトマネジャーの養成にも力を入れている。また、プロダクトマネジメントに関する話題を中心とした「Stylish Ideaニューズレター」も毎週発行している。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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