イノベーションを実現する「10の型」は“イノベーションデザインの仕組み”
製品だけに頼らずにイノベーションを実現するには、どうすれば良いのでしょうか。今回と次回で紹介する、“Ten Types of Innovation”では、製品だけではない「10の要素」を考慮し、それらを複数組み合わせることでイノベーションを実現できる確率が高まる、と紹介しています。
それぞれの要素の概要をまとめたものが次の図です。
10の要素を見てわかるように、製品自体は「提供物(Offering)」全体のなかで、「製品パフォーマンス(Product Performance)」でしかありません。イノベーションを興す際に必要なものは、イノベーションを生み出すための「基本的な構造(Configuration)」を社内に持ち、「提供物(Offering)」を顧客が感じる「経験(Experience)」を考慮しながら届けるという仕組み全体を考える必要があります。
本書の核となるこの「10の型」は、そのような仕組み全体を考える際に、漏れがないようにするための有用なチェックツールとしても使えます。ただし、本書ではこの「10の型」を単なるチェックツール以上のものとして使うための、さまざまな応用方法を紹介しています。
今回は概論部分である前半の内容を紹介しました。次回は、“Ten Types of Innovation”の本質的な内容である、実践部分(イノベーティブな企業の分析、業界分析、自社のイノベーション)を紹介した後半の内容を紹介します。