イノベーションが必要不可欠な時代
伊野辺さんをご存じでしょうか?そもそも、このお名前をなんと読むかというと“いのべさん”なのです。この伊野辺さんの一日の生活が、内閣府の「イノベーション25」のWebサイトに「伊野辺家の一日」として登場しています。家族構成が紹介されている部分を見ると、2代目ロボットの名前は「イノベー」で、この名前の由来はイノベーションとまで書かれている気のまわしよう。
ここで描かれているのは2025年の日本における一般の人々の生活です。実際に読んでみるとそこまで突拍子もない世界ではなく、今でも私たちの周りにあるような技術が、どうやって生活に組み込まれているのかをイメージできるように描かれています。今から12年後の世界だと考えると、そんなものかなとも思ってしまう人もいるかもしれません。
ただし、企業の立場からすると「そんなものかな」で済ますわけにはいかないでしょう。イノベーションを興すことは、今や自社の存続にかかわることだと考えている企業は少なくありません。
2013年3月にGEが発表した「GEグローバル・イノベーション・バロメーター」の結果によると、日本は世界と比べるとイノベーションに対する温度差があるという指摘はあるものの、回答した経営者のうち80%が、「イノベーションは自社にとって大変重要、あるいは重要な戦略的優先課題」だと考えていることがわかります。
そうとはいえ、「イノベーションを実現する」というのはそう簡単なことではありません。どこから手をつけたら良いのかわからない、という人も多いはずです。
そういう人にお薦めしたいのが、今回取り上げる“Ten Types of Innovation: The Discipline of Building Breakthroughs”(イノベーションを実現する10の型〜ブレイクスルーを引き起こす原則)です。