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超ミッションクリティカルの現場


ミッション2:「30秒の壁を突破せよ!」

 その金融系システムは、世間一般でよく言われる「ミッションクリティカル」よりももう一段上の、いわば「ハイパーミッションクリティカル」とも言うべきもので、性能・信頼性・可用性ともに極めてシビアな要件が挙がっていた。ハードウェアとソフトウェアが堅牢であることはもちろん、もし万が一の障害でダウンしたとしても、迅速かつ確実に待機系に切り替えられるだけの高度な冗長性が求められていた。ちなみに、障害を検知してからフェイルオーバーして、システムが完全復旧するまでの一連の処理を、すべて30秒以内で完了しなければいけなかった。

 「一体、どうすればいいんだ……」

 机の上に放り出されたストップウォッチは、ちょうど10分を指したところで停まっていた。10分、30秒、10分30秒……。原の頭の中を、2つの数字が点滅灯のように、入れ替わり立ち替わり現れては消える。

 ……すみません。ついついハードボイルド小説の世界に逆戻りしてしまいました。

 でも当時としては、この30秒というハードルをクリアすることは、並大抵のことではなかったのだ。冗談じゃなく、小説のネタになるぐらい大変だったのだ。

 おまけにもう1つ、このシステムではとんでもない要件が挙がっていた。「フェイルオーバー王子」こと渡辺さんが、若干ハードボイルド風に当時を振り返りながら、

cap
ハードボイルドでもさわやかな王子

 「ストレージ装置には弊社のハイエンド製品を採用していて、それ単体でも十分に高い信頼性を確保できていたのですが、お客さまからはさらに、『万が一ストレージが筐体ごと壊れた場合に備え、サーバだけでなくストレージ装置も二重化したい』という要望があったのです」

 共有ストレージの完全二重化!

 「しかもストレージ障害時にも、30秒以内に待機系への切り替えを完了しなければいけなかったんです」

 それって当時はもちろん、今の技術でも結構なムチャ振りだと思うんだけど……。しかしここからが「ミッションクリティカルの日立」の面目躍如。そう、ハードボイルド小説の主人公は、幾多の困難を乗り越えて、最後には必ず勝利を手にしなければならないのである。

次のページ
ミッション3:「製品をガンガン修正して要件を達成せよ!」

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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