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エンタープライズでのPostgreSQLの活用を促進するために、PGEConsは活動を拡大中

edited by DB Online   2014/01/10 00:00

 PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアム、通称PGEConsが、12月初頭に2013年度の活動中間報告を都内で行った。同コンソーシアムは2012年から活動を開始し、初年度の成果物としてワーキンググループごとに活動結果をドキュメントにまとめ上げている。性能検証を行ったワーキンググループ1のドキュメントは、2013年12月3日の時点で3,469、異種リレーショナルデータベースからの移行に関するガイドをまとめたワーキンググループ2の結果が1,415ダウンロードされたとのこと。

データベースの移行は引き続き重点活動ポイント

コンソーシアムの運営副委員長である日立製作所の吉野松樹氏
日立製作所 吉野松樹氏

 活動報告会であいさつを行ったコンソーシアムの運営副委員長である日立製作所の吉野松樹氏。

 この成果物のダウンロード状況はまだまだこれからだと言う。

 「今後さらにPostgreSQLの世界を盛り上げ、これら成果物のように参加者みんなで共通の知識をまとめ上げていきます。それによって、顧客に安心して使ってもらえるようにしたい。そのうえで、参加している各社が競争していけばいいと考えています。そのためにも、PostgreSQLの認知度をさらに上げていきたい」(吉野氏)

クオリカ株式会社 坂本浩行氏
クオリカ株式会社 坂本浩行氏

 ワークグループ2の活動報告を行った技術部会メンバーでクオリカ株式会社の坂本浩行氏は「2013年度は、昨年できなかった作業を行っている」と言う。昨年度は移行の手順をどうしたらいいのかについてまとめた。今年も移行にフォーカスを当て、昨年できなかったOracle以外のデータベースからの移行についても実証検証を行っている。

 また、たんに移行の手順を明らかにするだけでなく、大量データを移行するにはどうしたらいいのかといったことについても、検証を行う予定だ。

 ワークグループ2のテーマは、大きく4つある。1つが、データ移行の差分調査。ここではマルチバイト、ラージオブジェクトについて調査を行っている。「文字コードの変換をどうやればいいのか、問題になるのはどういうポイントか、同様なことをラージオブジェクトについても調査しています」と坂本氏。12月時点で、文字コード変換については調査を終了し、机上で検証中だ。今後は、実機検証を行う。そのあとにラージオブジェクトに取りかかる予定だ。

 具体的には変換タイミングや変換方法などを調査しており、問題があればその回避方法をまとめる。ラージオブジェクトも同様で、ラージオブジェクト・データが格納できるところまでは、どのデータベースにも機能として実装されているが、移行の際にそのデータをどう扱うかはデータベースごとに異なる。「現時点では、文字コードよりも加工が必要ではと思われます。その点を調査、検証する予定です」とのことだ。

 2つ目のテーマが、ストアドプロシージャだ。昨年度もストアドプロシージャについては調査をしているが、今年度は移行の難易度、機能制限、PostgreSQLならばここまでできる、逆にできないのはどこかといった点を調査する。さらに、移行に課題がある場合には、その課題を明らかにし解決策を提示する。また、昨年度はOracleのPL/SQLだけだったが、2013年度はSQL ServerとDB2との文法差異も明らかにする予定だ。ストアドプロシージャの移行は、課題に直面している企業も多い。

 「プロシージャ言語は自動的には変換できないと感じている会社も多く、苦労しています。課題とは具体的にどういう問題かを整理し、来年春までに解決策を提示できればと考えています。サンプルを出すところまでできるかは分かりませんが、ストアドプロシージャについては、移行でネックになっているという認識はあるので、注力しています」(坂本氏)

 そして3つ目のテーマが、チューニングだ。

 「データベースを移行した際には、元と同様か、それ以上の性能が求められます。移行後に同等の性能を発揮するにはどうすればいいのか。既存システムから要件を明らかにし、それをPostgreSQLでどう達成していくのかを検証します。今回は既存のシステムに対し、性能がどうなるかという観点で資料をまとめていきます」(坂本氏)

 現状までの調査では、チューニング工程の検討までは済んでいる。現在は、チューニング作業内容を検討中とのこと。作業工程、現状確認、移行後の物理設計、論理設計、そのあとに個別のSQLを最適化、その際の性能測定、そして最適化の方法までを調査しまとめる。ただし、PostgreSQLの性能そのものに関する情報収集は、ワークグループ3で行う予定となっている。

 4つ目のテーマが、運用だ。ここでは、統計情報の収集、そして旧いバージョンからのバージョンアップに関する手順書を作成する。運用については、ワークグループ2ではバージョンアップに絞って調査を行う。手順を考えるだけでなく、実機での検証も行う予定で、調査内容を検討し机上調査の作業までを現在行っている。

 「目安として、バージョン番号で見てメジャーバージョンアップならこう、マイナーならこうというように情報を出していきたいと考えています」と坂本氏。マイナーならバイナリ入れ替えで済むのか、あるいは「pg_dump」を使ったバージョンアップ方法をとるべきかなどについて検証する。手順、注意点含めて明らかにし、バージョンアップの手順を確認することになる。

 「最終的には、移行で迷子にならないようにしたいと考えています。こういうことは最低でもチェックしないとだめだね、という状態に2014年の春にはもっていきたいです。こういうことをやっていくには、経験がものを言います。経験ある方は、是非一緒に活動してください」と坂本氏は参加者に呼びかけた。

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著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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