SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

DBプロに会いたい!

ストレージエンジンのエキスパート登場!―斯波健徳さん

 MySQLの特徴に「ストレージエンジンを選べること」が挙げられる。このストレージエンジンを開発して提供しているのがスパイラルアーム合同会社 代表の斯波健徳さん。第8回 日本OSS奨励賞も受賞した。意外なところからスタートしたエンジニア人生、どうしてストレージエンジンに目を付けたのか。

ストレージエンジンのエキスパートの意外な前職

 2013年10月9日、日本初の本格的なMariaDBイベントとなる「MariaDB/MySQL コミュニティイベント in TOKYO」が開催された。発表者にはMySQLやMariaDBのサービスを提供しているSkySQLのメンバーが名を連ねるなか、日本人の斯波さんもいた。斯波さんが解説したのはMariaDB 10.0からバンドルされているストレージエンジン「Spider」。斯波さんが開発したストレージエンジンでシャーディングを行うのが特徴だ。

 11月29日には「全文検索エンジンGroongaを囲む夕べ 4」が開催された。毎年「いいにくの日」に開催するのが恒例となっていて、今年で4年目。斯波さんはここでも常連の発表者である。斯波さんが発表したのは自身がGroonga開発チームと協力して開発している「Mroonga(むるんが)」。これもMySQLのストレージエンジンで高速な全文検索機能を提供するもの。

 斯波さんはこの他にも、Vertical Partitioningというテーブルをカラム単位で分割するストレージエンジンの開発も手掛けている。

 Spider、MroongaにVertical Partitioning斯波さんはMySQLのストレージエンジンを開発する希少なエンジニアの1人。2013年にはスパイラルアームを起業し、ストレージエンジンの開発ほかMySQLを中心としたシステムのサポートやコンサルティングを行っている。

「MariaDB/MySQL コミュニティイベント in TOKYO」にて
「MariaDB/MySQL
コミュニティイベント in TOKYO」にて

 今ではデータベースにどっぷりな斯波さんではあるが、実はエンジニアとしての経歴やMySQLとの関わりはそう長くはない。2000年まではITとは違う仕事をしていた。大阪市内で遺跡の発掘調査をしていたというのだ。

 道路工事や家を建設するとき、遺跡がありそうな場所では遺跡調査を行うことがある。そこから発掘されるのは縄文時代の矢尻や弥生時代の土器や、大阪城の争いの跡など。斯波さんは当時のようすを「発掘では道具がどんどん小さくなるんですよ。最初はスコップで掘り、最後ははけなどを使って壊さないように慎重に取り出すんです」と説明する。なかでも縄文時代の祭壇で使われたと思われる遺物を掘り出すときはとても壊れやすくて慎重に作業したそうだ。

 なぜそんな仕事からITの世界へ? 発掘調査をしていたときにはすでに趣味でプログラミングをしており、それを見た弟が「ITの仕事が似合うのでは」と背中を押してくれたのがきっかけだそうだ。そもそも発掘作業で欠かせない、細かい遺物を慎重に取り出す作業とITのプラミングの工程は、どこか似ている気がする。

 IT業界に転職すると、開発案件をベースに仕事を進めていった。当初扱っていたデータベースはOracle Databaseだったが、MySQLの案件にも携わるようになるうちに、次第にMySQLにのめりこんでいく。チューニングがうまく行き、100倍くらい性能が上がったりすると面白みを感じた。ストレージエンジンが選べるという特徴も興味深かった。

次のページ
新しいストレージエンジンの開発へ向けて

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
DBプロに会いたい!連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5525 2014/02/07 10:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング