SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

EnterpriseZine Day Special

2024年10月16日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

イノベーションを可視/加速化する「ビジネスアーキテクチャー」集中講義

ビジネスモデルと「戦略や戦術」はどのような関係にあるのか?価値基準モデルを活用した戦略策定

(第25回) 

 前回は、ビジネス計画の論理的な構造を表すモチベーションモデルにおける目的としてのゴールと目標(成果)についてご説明しました。今回は、それを実現するための手段としての戦略と戦術(行動方針)について触れていきましょう。

 「戦術のない戦略はファンタジー」であり、「戦略のない戦術はカオス」である。

 まずは、手段の内部関係のおさらいからスタートしていきましょう(図1)。手段(Means)は、ミッション行動方針指針に分類され、行動方針はさらに戦略戦術に分類されます。一方、指針はビジネスポリシー(方針)ビジネスルール(規則)に分類されます。

手段の内部関係
図1:手段の内部関係

 目的と手段の関係で捉えれば、ビジョンとミッション、戦略とゴール(定性的目標)、戦術と目標(定量的目標)をペアで考えると分かりやすいでしょう。時間軸で捉えれば、ビジョンとミッションが最も遠い将来であり、戦術と目標(定量的目標)が最も近い将来を指すことになります(図2)。

目的と手段のペアリング
図2:目的と手段のペアリング

戦略は「プロダクト」、「顧客」、「オペレーション」のどこで勝負するかの選択

 次に、戦略と戦術の定義をあわせて見ていきましょう(図3)。

戦略と戦術の定義
図3:戦略と戦術の定義

 ご存知の方も多いかも思いますが、戦略や戦術という言葉は元々軍事用語であり、ビジネスの世界で使用されるようになって半世紀ほどしか経っていないようです。最初に使い始めたのはピーター・ドラッカーのようです。当時は、ビジネスの世界で使うべきではないと周辺からアドバイスされていたと言われています。

 この定義だけでは分かりにくいと思いますので、戦略と戦術の違いを簡単に整理してみました(図4)。特に日本においては、トップダウンによる明確な戦略決定というよりは、ミドルや現場のベストプラクティスによって戦略が形成されていくケースが多いため、余計にその違いが分かりにくくなってしまいます。

戦略と戦術の相違
図4:戦略と戦術の相違

 さて、図4における最後の行に注目してください。ビジネスモデルとの関係で戦略を捉える場合、財務構造を除く3つの柱、つまりプロダクト革新顧客インターフェースオペレーション基盤のうちのどこに焦点を置くかによって大きな作戦としての戦略の方向性が決まるものであると考えれば便利でしょう。これは、ビジネスモデルのイノベーションについても同じことがいえます。一方、戦術は9つの各々のビジネス要素(またはビルディング・ブロック)に関して採用される手段であると考えましょう。

次のページ
戦略の階層、戦略でないもの、二大戦略論について

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
イノベーションを可視/加速化する「ビジネスアーキテクチャー」集中講義連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

 ITコンサルティング会社所属。IT業界において20年以上にわたり、営業、事業企画、マーケティング、コンサルティングと幅広い役割に従事。2年前のある日、「日本のビジネスに光を!」という天からの啓示を受けて以来、ビジネス構造の究明と可視化に没頭中。好きな言葉は、「人生とは、別の計画を作るのに忙しいときに起こる出来事である。」(ジョン・レノン)Facebookページ「ビジネスアーキテクチャー研究ラボ」を運営中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5606 2014/02/18 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング