RDBMSとして成熟した機能を持つPostgreSQL
PostgreSQLは25年前から進化を続けるオープンソースのRDBMSで、4つの大きな特徴があります。
1.PostgreSQLライセンス(≒BSDライセンス)
BSDライセンスに基づくPostgreSQLライセンスと呼ばれる形態で、商用/非商用を問わず無償で利用でき、ソフトウェアへの組み込みや配布など利用目的に関する制約が少ない点が特徴です。そのため、Postgres Plus、PowerGres、PowerGres Plus などの派生DBMSや、DWH専用DBMSとしてIBM Netezza、Greenplum、Amazon Redshift のベースとして広く利用されています。
2.特定の企業に依存しない開発体制
PostgreSQLの開発は、特定の企業に依存しない個人の集合体であるコミュニティで進められています。プログラムソースもコミュニティで厳密に管理されており、リリースから5年間を正規サポートとして不具合修正パッチを提供するなど、エンタープライズ領域でも安心して活用できる開発体制を備えています。
3.活発なコミュニティ活動
日本PostgreSQLユーザ会と呼ばれるコミュニティの存在が国内でのPostgreSQL普及に大きく貢献しています。また、2012年4月にはPostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアムと呼ばれる団体が設立され、エンタープライズ領域でのPostgreSQL活用推進のため、PostgreSQL本体および各種ツールの情報収集と提供活動が行われています。
4.エンタープライズ向け機能の充実
大規模データにも対応できるようパーティショニング機能が標準実装されていること、また表の結合もOracle Databaseと同様のネスティッドループ、ソートマージ、ハッシュ方式をサポートしているため、業務アプリケーションからの複雑なSQLに対して柔軟な対応が可能です。
PostgreSQLは、2005年にリリースされた8.0でPoint-In-Time-Recovery(以下、PITR)機能が実装されてからエンタープライズ領域での活用が進んできたと言われており、2010年にリリースされた9.0でPostgreSQL標準機能としてストリーミング・レプリケーションの実装や性能改善の機能強化が行われ、採用機会が増えています。