ファクトリーモデルの導入、パブリッククラウド値下げでAWSに追随
Global Cloud Visionは、ネットワークやアプリケーション、ボイス、セキュリティ、運用管理などをクラウドに移行し、グローバルで共通品質のサービスをシームレスに提供することで、顧客の経営改革に貢献しようというもの。2015年度にクラウド/データセンター事業で2000億円以上の収益を目標にしている。現在は、サービスやデータセンター拠点の強化、拡充を中心に取り組みを進める「利益確保より拡大を図る時期」に位置づけられている。
2014年版の新しい内容としては、グローバルで提供するサービスの開発/オペレーションについて「フェデレーションモデル」から「ファクトリーモデル」へ移行すること、パブリッククラウド「BizホスティングCloudn(クラウド・エヌ)」の最大31%の値下げ、BizホスティングEnterprise Cloudで中国(上海)とインドでのデータセンター拠点の設置、SDNを活用したVLAN多重化機能、クウラドとVPNの接続をカスタマーポータル経由で自動化する機能などが明かされた。いずれも2014年夏をめどに提供される予定。
値下げ合戦が激しくなっているパブリッククラウド市場については「拠点などのインプリメントはわれわれが進んでいると思うが、機能面や価格面では、AWSなどに遅れをとっている。当然、追いついていかないといけないと思っている。違いとしてはトータルサービスであり、クラウド専業でないこと」とコメントした。
発表にあたった代表取締役社長の有馬彰氏は、昨年までの進捗として、データセンターの拠点数が153拠点(24.6万㎡)となりAPACで最大規模になったことや、クラウドサービス(BizホスティングEnterprise CloudとCloudn)の顧客数が2012年の2400社から2013年に4900社と倍増したこと、マネージドセキュリティサービス(WideAngle)の契約機器台数が2012年の7300から2013年の8500に増えたことなど、順調に規模を拡大していることを紹介した。
海外企業の買収も積極的に進めた。2014年には、会議サービスの仏arkadin、データセンター事業の米RagingWire Data Centers、ネットワーク事業の米Virtela Technology Servicesの買収を完了する予定で、グローバルでの調査会社の位置づけも「リーダー」にランクしてきたという(IDCの2013年12月発表の「APAC地域のDC・クラウドサービス評価レポート」、ガートナーの2014年3月発表の「Magic Quadrant for Global Network Service Providers」)。
クラウド化の国内ユーザー事例としては、各国の1700台のサーバの7割をクラウド化(BizホスティングEnterprise Cloud)しコストを30%削減したHOYA、生産・調達管理、製品開発など基幹システムを含め99%をクラウド化したヤマハ発動機、クラウド型音声基盤(Arcstar UCaaSなど)を全世界で導入した全日本空輸を紹介した。