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「工事進行基準」対応で波に乗れ!~受託ソフトウェア開発ビジネスの健全化

【工事進行基準】第1回 会計基準変更のポイント

第1回


受託ソフトウェア開発の商習慣が会計基準の改変により変わろうとしている。企業会計基準委員会(ASBJ)が2007年12月27日に公示した「工事契約に関する会計基準」にて請負工事契約における会計処理の変更が義務付けられた。収益認識基準に工事進行基準を原則適用するもので、対象となる企業を限定するような条件は無い。企業規模や上場/非上場などは一切問わない。 本稿では、受託ソフトウェア ビジネスに関係する立場ごとのポイントを明確にし、来る2009年4月の施行開始に向けた準備について提言する。

はじめに

 今回の会計基準の変更について、既出のニュースや記事などから、決算日時点の進捗度で開発途上の案件(プロジェクト)の収益と原価を計上する「工事進行基準」に対応しなければならないと理解している方が多いと思う。しかし、筆者は「工事進行基準」は重要なポイントであることは間違いないが、会計基準の一部でしかないと考えている。

 はじめにはっきりさせておくが、受託側(施工者)において今回の会計基準の変更を回避する方法は無い。対応しない場合は不慮か故意かはともかく不正会計となる可能性が高い。まずは何が変更になるのかを整理しよう。

工事進行基準とは何か

 企業会計基準委員会が公開している基準(企業会計基準第15号および企業会計基準適用指針第17号:現時点では会員のみが同会ホームページより入手可能)によれば、「請負工事契約の会計処理」ならびに「開示」について定めるとされ、適用範囲は建設、土木、製造など請負契約に基づいて仕様が顧客の指図によるものとされている。今回、受注制作ソフトウェアが対象に追加されたため、わざわざ段落を分けて明記されている。

 会計処理の定めは、「ある条件を満たす場合には収益の認識基準を工事進行基準とすること」、および「損失が見込まれる場合の取り扱い」の二点である。すべてのシステムインテグレーターが対応しなければならないのが後者であり、工事進行基準よりも影響度が大きく重要である、が、順に説明をしよう。

工事完成基準と工事進行基準の違い

 現在の会計基準では、収益の認識基準(基準上では「工事契約に係る認識基準」と表記)に「工事完成基準」と「工事進行基準」の選択適用を認めており、多くの企業が商習慣に近い「工事完成基準」を適用している。工事完成基準と工事進行基準の会計処理の違いは次の図に示したように、収益と原価の計上タイミングである。

完成基準と進行基準の違い
完成基準と進行基準の違い

 工事完成基準は、開発の期間や受注額に関係なく、顧客の受領(検収)をもってすべての収益と原価を一括で計上する方式である。上図の略例では、受注額が5,000万円、原価が3,000万円のプロジェクトの場合、検収後に収益、原価および損益の実績総額を一括計上する。

 対して、工事進行基準の場合は、プロジェクトが決算日をまたぐ際は決算日における進捗度に応じた見込みの収益と原価の実績、さらに算出した損益を計上する。同じく図1の略例では、2008年度の決算日時点でプロジェクトの進捗度が30%の場合、2008年度分の収益として1,500万円、原価を900万円、利益を400万円計上する。

 翌年の2009年度に検収された際には、残額である収益を3,500万円、原価を2,100万円、損益を1,400万円計上することになる。もし貴社に四半期ごとの決算報告義務がある場合には、四半期ごとに進捗度に応じて会計処理する必要がある

次のページ
どんなプロジェクトに適用しなければならないか

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この記事の著者

熱海 英樹(アツミ ヒデキ)

2003年2月マイクロソフト入社。Visual Studio、BizTalk Server の製品マーケティング担当を経て、現在は Visual Studio Team System の営業担当として主に技術面での訴求を行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/594 2008/12/09 12:13

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