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マイクロソフト、災害対策としてのMicrosoft Azureの利用を促す

 10月9日、マイクロソフトは企業の事業継続計画(BCP)支援策を発表した。具体的にはMicrosoft Azureの災害対策機能強化となる。同時にパートナー企業による対応ソリューションも発表した。

クラウドへの最初のステップとして、多く採用されるバックアップ

 2014年8月にガートナーが発表したテクノロジーのハイプサイクルでは、クラウド・コンピューティングは幻滅期の底に届く段階と示された。主流の採用までに要する年数はあと2~5年との見込みである。一方、マイクロソフトは数年前から「Cloud OS」というビジョンを掲げてクラウド・コンピューティングに普及啓発に努めている。  

日本マイクロソフト サーバープラットフォーム
ビジネス本部 業務執行役員 本部長 佐藤 久氏

 クラウド・コンピューティングは先進の技術を必要とする企業や技術力のある企業では当然のように普及しているものの、一般の中小企業ではこれから徐々に本格導入というところだろう。クラウドへの最初のステップとして多く採用されるのがバックアップだ。システムはオンプレミスで稼働させて、まずはバックアップするデータだけをクラウドに格納するというもの。これもいわゆる「ハイブリッドクラウド」である。バックアップは災害対策として予算も下りやすいという背景もある。  

 一般企業において災害対策でクラウドを導入できるかどうかが最初の試金石ともいえるだろう。マイクロソフトも現実的な視点でバックアップや災害対策を目的にしたクラウド導入支援に力を入れている。今回の発表は災害対策としてMicrosoft Azureを使うための機能強化とパートナーが提供する支援ソリューション、加えて導入促進キャンペーンとなる。  

 災害対策に有用なMicrosoft Azureの機能強化の1つとなるのが「Microsoft Azure Site Recoveryサービス(以下、ASR)」。これまでASRというと、実際に運用しているサイトのほかにバックアップサイトを用意してHyper-Vのレプリカとして複製し、Microsoft AzureのSite Recoveryがその制御を行うというサービスだった。

 しかし10月3日からは従来の複製の制御だけではなく、新たに複製先としてMicrosoft Azureを選ぶことができるサービスも提供されるようになった。利用する企業からすると、災害対策用(バックアップサイト)のハードウェアを用意することなくリカバリーサイトを用意することができるようになる。  

 新しく提供されるASRではシステムもデータもMicrosoft Azureのクラウドにまるごとバックアップする仕組みだ。一度設定すれば後は自動的にMicrosoft Azureに差分をコピーする。通常はオンプレミスやデータセンターでシステムを稼働し、有事の際にはクラウド側に切り替えてシステムを継続稼働させることができる。メインとなるサイトが複数のプライベートクラウドの組み合わせであったり、保護する仮想マシンが多数あっても対応可能。  

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16社のパートナーが企業へのASR導入を支援

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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