信頼を得るために日本市場には継続的に投資する
今回のWorld Tour Tokyoは、基本的には10月にサンフランシスコで開催されたDreamforceの内容を踏襲するもの。Dreamforceで発表したアナリティクス・クラウドの「Wave」やモバイルアプリケーションを迅速に開発するための「Lightning」などにフォーカスが当てられていた。これらを活用することで、クラウドの新たな市場を拡大していく。
「いつでも、誰でも、どこででもアナリティクス・クラウドを利用できます。まさにこれはイノベーションです」―こう語るのは、日本法人 代表取締役会長兼CEOの小出伸一氏だ。
日本独自の発表としては2015年に国内2番目のデータセンターを開設することが明らかにされた。これでバックアップも含め国内に置くことができる。小出氏によれば、これは顧客から信頼を得るためだ。このジャパン・バックアップオプションを提供することで、金融機関などレギュレーションの厳しい企業にも安心してサービスを使ってもらえるという。
もう1つの日本独自の取り組みは、継続した日本のIT企業への投資だ。今回のイベントのタイミングで、画像解析技術と機械学習技術を中心とした学術研究を活用しマーケティング戦略の立案から実行までを手がける株式会社ABEJAと、法人営業に特化したコールセンターと過去1,500社の営業を支援し蓄積した独自の顧客抽出エンジンとSFAを組み合わせたインサイドセールスサービス「APO-HUNTER」を提供する株式会社WEICという2社に新たに出資することを発表している。
この2社を加えたことで国内の20社に投資することとなり、こういった取り組みをしている外資系企業はセールスフォース・ドットコムだけだという。小出氏は、今後もクラウドのエコシステムには、継続して投資をしていくことを表明した。