Postgres Plusの今
Postgres Plusは、PostgreSQLをエンジンとし「パフォーマンス」「セキュリティ」「GUIツール」など多くの分野でPostgreSQLに未実装のエンタープライズ向け機能を強力に補完したRDBMSです。
Postgres Plusは、近年、OLTP系システムを中心に採用機会が増えており、9.2の段階で、図1にあるように参照処理において64CPUコアまでのスケールアップの仕組みが実装されました。これにより、ハードウェアのメニーコア化の時代に沿う形で、データベースサーバに搭載されたCPUの有効利用が可能になりました。また、テーブルデータへのアクセスを行うことなくインデックスを検索するだけで結果を返すIndex Only Scanと呼ばれる機能の実装など商用RDBMSと遜色ない数々の機能が実装されてきました。
さらに図2にあるようにデータウェアハウス(以下、DWH)系の機能も次々と強化されてきており、9.3ではマテリアライズド・ビューがサポートされ、集約、集計といった複雑な検索処理の性能を確保できるようになりました。また、Oracle DatabaseのSQL*Loaderと同様の操作性を持つローダ機能としてEDB*Loaderが提供されていることも商用RDBMSユーザが扱いやすい理由の1つと言えます。
本連載ではこれまで2回(※1)にわたり、エンジンであるPostgreSQL 9.4とPostgres Plus 9.4それぞれの新機能の中からエンタープライズでの利用を想定した注目機能をピックアップしてご紹介しました。
(※1)第1回、第2回の記事は以下URLよりご参照ください。
第1回「エンジンPostgreSQLに組み込まれた注目機能解説」
第2回「Postgres Plus 9.4独自の新機能解説」
今回は少し視点を変えて、Postgres Plus 9.4が備えたOLTP系、DWH系システムに対応する以下の新機能に関し、弊社が実施した検証結果を交えてご紹介します。
・OLTP系機能
-HugePages対応
-WALバッファ書き込みの改善
・DWH系機能
-ハッシュ・パーティション
-マテリアライズド・ビューの拡張
・リソース管理
-リソースマネージャ