今回は、久しぶりに、「システム開発におけるユーザの協力義務」についてお話ししてみたいと思います。システム開発において、ユーザは単なるお客様ではありません。新しく作るシステムの要件を十分な詳細さと正確さをもって、しかるべき時期までに定義し、プロジェクトの最終局面では、できあがったシステムが、要件通りにできているか検証することは、ユーザの義務です。また、システム開発の中盤においても、ベンダが必要とする資料や情報をタイムリーに提供したり、ベンダとの会議には、しかるべき人間を出席させて、様々な判断をしたりすることも求められます。 こうしたユーザの協力義務については、この連載の第一回、第二回でもお話しした通り、裁判所の判決でも明確に述べられており、上述したようなこと義務をユーザが怠ったために頓挫したプロジェクトの責任は、その多くがユーザに求められるという、お話をしたかと思います。
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細川義洋(ホソカワヨシヒロ)
ITプロセスコンサルタント
経済産業省デジタル統括アドバイザー兼最高情報セキュリティアドバイザ
元東京地方裁判所 民事調停委員 IT専門委員
筑波大学大学院修了(法学修士)日本電気ソフトウェア㈱ (現 NECソリューションイノベータ㈱)にて金融業向け情報システム及びネットワークシステム...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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