手っ取り早くLPIC対策したい方におすすめの最新版!
問題を解きながら学べる1冊
翔泳社ではかねてより、Linux技術者認定試験「LPIC」を受験される方を対象に「Linux教科書」シリーズを刊行してきました。日本のLPIC受験者は世界一多く、IT技術者にとって必携の資格になっています。
LPICで最も受験者が多いのはレベル1ですが、そこから次の段階に進み、より高度な内容を問われるLPICレベル2 Version 4.0を受験される方のために刊行されたのが、『Linux教科書 LPICレベル2 スピードマスター問題集 Version4.0対応』です。本書は201試験、202試験の問題を解きながら読み進め、最後に模擬試験に取り組める構成になっています。
既刊の『Linux教科書LPICレベル2 Version4.0対応』(通称あずき本)は解説中心ですので、すでに前のバージョンの資格を持っているという方、ある程度Linuxは分かっているが試験対策を集中的にしたい方には特におすすめの1冊です。
これからレベル2を受験される方は、第1章からじっくりと読み進めてみてください。重要な課題を項目立てて解説していますので、ゆっくり確実に理解して進んでいけます。
本書ではどういった問題が重要なのかを独自に3段階でランク付け。ナレッジデザインで技術者教育を行なう著者、大竹龍史さんだからこその確かな視点です。
試験の傾向をすばやく把握したい方、直前の対策では、星3個の問題と模擬試験を重点的に確認することをおすすめします。
LPICって何?
そもそもLPICって何でしょう? 数ある資格の中で、LPICは「取得したい資格」で8年連続No.1を獲得している(LPIC公式サイトより)、腕に覚えのある技術者の実力を保証するには欠かせない資格です。
LPICにはレベル1からレベル3まであり、それぞれにバージョンが存在します。レベルが高いほど出題内容は上級者向けになり、バージョンは出題範囲の違いとなっています。時代によって必要とされる技術は変遷するため、それに合わせた出題範囲へと数年ごとに更新されます。
LPICレベル3とは?
最も上級者向けの内容であるLPICレベル3は、300試験(Version 1.0)、303試験、304試験とそれぞれ専門分野に特化した試験となっており、いずれか1つで合格するとLPICレベル3に認定されます。
試験の詳細は公式サイト(LPICレベル3)でご確認ください。
LPICレベル2とは?
ネットワークを含むコンピュータシステム構築、運用、保守が行えるかどうかといった内容を問われるのがLPICレベル2です。201試験(Version 4.0)と202試験(Version 4.0)があり、両方に合格するとLPICレベル2に認定されます。
試験の詳細は公式サイト(LPICレベル2)でご確認ください。
LPICレベル1とは?
最も受験者数が多く、サーバの構築、運用、保守ができることが合格の基準となるLPICレベル1。101試験(Version 3.5)と102試験(Version 3.5)があり、まもなくVersion 4.0へと更新される予定となっています。両試験に合格するとレベル1の認定が受けられ、レベル2を受験することができるようになります
試験の詳細は公式サイト(LPICレベル1)でご確認ください。
※LPICレベル1 Version4.0対応版は6月15日(月)に発売予定。
LPICレベル2では、どんな問題が出題される?
4月16日(木)発売の『Linux教科書 LPICレベル2 スピードマスター問題集 Version4.0対応版』では、出題傾向に沿った問題を収録しています。今回、その一部を公開しますので、レベル2の雰囲気を掴んでみてください。これらがそのまま出題されるわけではありませんので、その点はご了承を。
201模擬試験 問題1
topコマンドを実行したところ、次のように表示されました。3行目の表示についての説明で適切なものはどれですか? 3つ選択してください。
実行例
top - 21:30:38 up 31 days, 11:06, 10 users, load average: 0.16, 0.21, 0.18
Tasks: 337 total, 1 running, 336 sleeping, 0 stopped, 0 zombie
Cpu(s): 11.6%us, 0.5%sy, 0.0%ni, 86.9%id, 1.0%wa, 0.0%hi, 0.0%si, 0.0%st
- ユーザーモードで11.6%を使用している。アプリケーション内の処理により比率が高くなる
- システムモードで0.5%を使用している。カーネル内の処理により比率が高くなる
- I/O待ちで1.0%を使用している。計算主体のプロセスにより比率が高くなる
- ハードウェア割り込みの処理に0.0%を使用している。タイマー、ディスク、ネットワークデバイスからのインタラプトにより比率が高くなる
解答は末尾に記載
201模擬試験 問題15
次のような内容のファイルがあります。このファイルはシステムの起動時に実行されるシェルスクリプトの中で「sysctl -p」コマンドにより読み込まれて、カーネルパラメータに値が設定されます。このファイルの名前を絶対パスで記述してください。
設定ファイル
解答は末尾に記載
202模擬試験 問題1
DNSの管理ホスト名がns.mylpic.com、管理者メールアドレスがhostmaster@mylpic.comの場合、SOAレコードの正しい記述はどれですか? 1つ選択してください。
- @ IN SOA hostmaster@mylpic.com. ns.mylpic.com. (
- @ IN SOA hostmaster.mylpic.com. ns.mylpic.com. (
- @ IN SOA ns.mylpic.com. hostmaster@mylpic.com. (
- @ IN SOA ns.mylpic.com. hostmaster.mylpic.com. (
解答は末尾に記載
202模擬試験 問題32
OpenLDAPの設定ファイルslapd.confにrootdnとrootpwの指定がない状態でslapdが稼働 しています。管理者権限でLDAPデータベースにアクセスするにはどうすればよいですか? 1 つ選択してください。
- デフォルトの「rootdn cn=admin」と「rootpw admin」でアクセスする
- デフォルトの「rootdn cn=admin」で、rootpwの指定はせずにアクセスする
- slapd.confにrootdnとrootpwを記述してslapdを再起動し、記述したrootdnと rootpwでアクセスする
- パスワードを指定したエントリ「cn=Manager」でアクセスする
解答は末尾に記載
「Linux教科書」シリーズはレベル1からレベル3まで好評発売中!
【Linux教科書シリーズ最新版】
- Linux教科書 LPICレベル1 第5版
- Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集
- Linux教科書 LPICレベル2 Version4.0対応
- Linux教科書 LPICレベル2 スピードマスター問題集 Version4.0対応
- Linux教科書 LPICレベル3 300試験
※LPICレベル1 Version4.0対応版は6月15日(火)に発売予定。
【201模擬試験 問題1 解答】
《解説》
waはI/O待ちの時間を表すフィールドです。waの比率が高くなるのは計算主体のプロセスではなく、I/O主体のプロセスなので、選択肢Cは誤りです。
《答え》
A、B、D
【201模擬試験 問題15 解答】
《解説》
/etc/sysctl.confファイルに記述することで恒常的にカーネルパラメータの値を設定できます。
《答え》
/etc/sysctl.conf
【202模擬試験 問題1 解答】
《解説》
SOAレコードの中のデータフィールドの1番目にDNSの管理ホスト名を、データフィールドの2番目に管理者メールアドレスを記述します。メールアドレスは「@」を「.」に変えて記述します。
《答え》
D
【202模擬試験 問題32 解答】
《解説》
管理者権限でLDAPデータベースにアクセスするには設定ファイルslpad.confに記述したrootdnでアクセスする以外に方法はありません。したがって、選択肢Cが正解です。なお、rootdnが「cn=Manager」に指定され、rootpwの指定がない場合で、「cn=Manager」のエントリにパスワードが設定されていれば、このパスワードでアクセスできます。
《答え》
C
LPICレベル1からさらに上を目指す人へ