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大企業が次々と導入、Mirantis OpenStackとは?

 Amazon、UBER、スマートニュースなどテクノロジー主導のビジネスが次々と台頭してきている。新規ビジネスを早期に立ち上げる必要性は日々高まるばかり。機敏さがあり、選択肢の幅が広く、コストを削減できて、かつオープンなクラウド環境ということでOpenStackが注目されている。そのOpenStackに特化した企業があるという。

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OpenStackを知り尽くす、ミランティスの場合

 「OpenStackの商用導入実績は世界1位」と胸を張る企業がある。OpenStackに特化した製品、技術、サービスを提供するミランティスだ。同社によると導入件数は100社を大きく超えており、この規模で導入実績があるのはほかにない。

ミランティス・ジャパン リージョナル・ディレクター 下平中氏
ミランティス・ジャパン リージョナル・ディレクター 下平中氏

 意外と歴史は長い。1999年にシステムインテグレーターとしてロシアで設立した。多数のOpenStack技術者を擁し、独立系OpenStackソリューションプロバイダーとしては世界最大規模を誇るまでになった。

 2011年にアメリカに本社を移設し、2013年にはOpenStackディストリビューションとなる「Mirantis OpenStack」を提供開始。そして2015年1月、日本法人となるミランティス・ジャパンが設立され、日本市場に本格参入を始めた。同社の海外現地法人設立はオランダ、フランス、中国に次ぐものとなる。事業は商用ディストリビューションの開発とサブスクリプションの提供のほか、OpenStackに関するトレーニング、インテグレーションやコンサルテーションなどを行っている。

 現在グローバルで社員は750人。うちエンジニアは600人以上、コミッターは250人以上もいるという。当然ながら、開発コミュニティへの貢献度の高さも世界トップレベル(OpenStackへの貢献が高い企業はミランティスのほかにHPとRed Hatがあり、3社の合計で全体の半分を超える)。

 OpenStackはクラウド基盤の構築や運用を可能とするオープンソースソフトウェア群となるため、機能ごとにプロジェクトが多岐に分かれている。ミランティスでは多数のエンジニアが多種多様な開発プロジェクトに関わっているというわけだ。ゆえにミランティスはOpenStackを知り尽くしているとも言える。

 下平氏はOpenStackのコンセプトをこう話す。

 「サーバ、ネットワーク、ストレージのリソース配分や構成をソフトウェアで定義してコントロールします。公開された共通APIを用いてテクノロジーの連携を可能とし、豊富な選択肢を提供しています。そのためリソースの統一的な管理や運用が可能となり、ワークフローの自動化も進み、アジリティーが高いクラウド運用が可能となります。これはIT管理者にとってのメリットとなります。一方開発者やビジネスユーザーにとっては、リソースを迅速に確保し、テクノロジーの選択肢が豊富となり、TimeToMarketの大幅短縮をもたらします」

 当初OpenStackはVM管理の「Nova」とストレージ基盤「Swift」からスタートしたが、今ではコンポーネントがかなり広がった(下図)。

 構成要素(PDF 15ページ)
構成要素

 ミランティスはEMCやPivotalをはじめ、多くのテクノロジーパートナーと連携して、Web/SaaS、テレコム/サービスプロバイダ、技術傾向の高いエンタープライズをターゲットとしてOpenStackの導入を広げている。実際の導入事例を下平氏はいくつか紹介した。

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OpenStack導入事例

 まず旅行サイト運営のエクスペディア。拡張性ある開発環境と機敏なITインフラが求められており、開発チームが使うパブリッククラウドサービス利用コスト抑制も課題となっていた。OpenStackの導入で、ブロックストレージ用の既存EMC VNXストレージアレイを有効活用し、リソース提供時間を大幅に短縮した。またOpenStack環境とパブリッククラウド環境の併用にはマルチクラウド管理ツールScalrを用いた。Mirantis OpenStackであればScalrやEMCのストレージが統合可能であり、Fuelでの導入や運用の容易さなどの製品力とお客様のニーズに対応する質の高いサービスがあることが評価されたという。

 次にフォーチュン500企業であり、デジタル認証機関でもあるシマンテック。同社がグローバル全体のインフラの更改を検討したとき、ユーザー向けのミッションクリティカルかつ機密性の高いサービスを抱えていたため、パブリッククラウドサービスは利用できないと考えた。そこでPaaSレベルでカスタマイズが可能なOpenStackを選択した。グローバルレベルで拡張性があり、柔軟性の高さもOpenStackを選ぶ理由となった。大規模なプライベートクラウド環境構築と運用の実績からミランティスが選ばれたという。

 ミランティスの強さは実績が裏付けしている通り。2015年6月にはMirantis OpenStack 6.1をリリースした。強みとなるコンポーネントがいくつかある。

 1つはFuel、インストールや運用管理を簡素化する。導入前のネットワーク状況を確認し、デプロイを行う。異なるバージョンの複数クラスター構成にも対応している。インフラログの集中管理、稼働状況のリアルタイムモニタリングなどが可能となっている。

 もう1つはMurano、アプリケーションのカタログ化を行う。アプリの相互関与性や推奨設定などの記述を提供する。アプリケーションやサービスはクリック&デプロイで簡単に導入できるようになっている。またCeilometerでモニタリングする。自動復旧、スケールの変更、アプリケーションごとの個別アクションの設定、バックアップなども可能。

 OpenStackの盛り上がりは近年著しい。世界各地で順次開催されているOpenStack Summitは回を重ねるごとに参加者がうなぎ登りで、今年5月のカナダのバンクーバー開催では参加者が6000人を超えたほど。10月末には東京開催も控えている。大いに盛り上がりそうだ。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://enterprisezine.jp/article/detail/7143 2015/09/24 10:04

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