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ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2015年」を発表

2015/08/27 13:00

 ガートナーは、8月18日(現地時間)、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2015年」を発表し、引き続きデジタル・ビジネスへの旅が主要なテーマであるとの見解を示した。ガートナージャパンは、このほどその一部を翻訳して公表した。

テクノロジとトレンドが、業種横断的な視点で示される

 今年のハイプ・サイクルには、ガートナーが「デジタル・ヒューマニズム」と定義している概念をサポートする複数のテクノロジが初登場している。デジタル・ヒューマニズムとは、「人」が、デジタル・ビジネスとデジタル・ワークプレースにおいて中心的な焦点となるという概念。

 ハイプ・サイクルの中でも先進テクノロジのハイプ・サイクルは最も歴史が古く、ビジネス戦略担当者、最高イノベーション責任者、研究開発(R&D)リーダー、起業家、グローバル・マーケット・デベロッパー、先進テクノロジ・チームが先進テクノロジのポートフォリオを策定する際に考慮すべきテクノロジとトレンドが、業種横断的な視点で示されている。

 ガートナーのリサーチ バイスプレジデント兼最上級アナリスト、ベッツィー・バートン(Betsy Burton)氏は次のように述べている。

 「先進テクノロジのハイプ・サイクルは、ガートナーのハイプ・サイクルの中で最も幅広く総合的なもので、特に高い関心を集めているテクノロジや、潜在的に非常に大きな影響力を持っているとガートナーが判断したテクノロジに焦点が当てられています。本年は、CIOおよび他のITリーダーに、単にビジネスを段階的に先へ進めるのではなく、エネルギーと時間をイノベーションのために集中的に割くとともに、自業界の枠を超えて視野を広く持ち、インスピレーションを得ることを奨励しています」

 2015年の先進テクノロジのハイプ・サイクルでは(図参照)、前年はピーク前にあった自律走行車がピークに達している。依然として自律走行車は開発の初期段階にあるものの、今回ピークに達したことは大きな前進を示しており、すべての大手自動車メーカーの短期ロードマップには自律走行車が盛り込まれている。

 同様に、コネクテッド・ホームのソリューションが勢いをもって前進しているが(黎明期の後半からピーク前へ)、これは新興のテクノロジ・ベンダーや既存メーカーからの斬新なソリューションやプラットフォームの登場につながっている。

図:先進テクノロジのハイプ・サイクル:2015(作成:ガートナー)

テクノロジの多くは、後半の3つのステージに含まれる

 前出のバートン氏は、次のように述べている。「企業がデジタル・ビジネスへと歩を進めていく上で、適切なテクノロジを判断して適切なタイミングで導入することは不可欠です。デジタル・ビジネスに向けたガートナーのロードマップでは、発展する6つのビジネス時代モデル(アナログ、Web、E-Business、デジタル作成:・マーケティング、デジタル・ビジネス、オートノマス)が定義されています」

 「企業はこれらのモデルに従って自社の現在の位置を把握するとともに、未来に目を向けることができます。先進テクノロジのハイプ・サイクルでは、より新しいテクノロジへと意図的に焦点が当てられているため、本ハイプ・サイクルに含まれるテクノロジの多くは、後半の3つのステージ、すなわちデジタル・マーケティング、デジタル・ビジネス、オートノマスのステージに属するものとなります」

 デジタル・マーケティング(ステージ4):

 デジタル・マーケティングのステージでは、「力の結節」(モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションの強固な結び付き)が重要になる。

 消費者がソーシャルなつながりを広げたり製品やサービスからより高い価値を獲得したりするために、マーケティング活動に積極的に参加したいと考えているこのステージにおいて、企業はこれらの消費者とつながるための新しくより洗練された環境に焦点を当てることになる。

 このステージを目指している企業は、ハイプ・サイクルで以下のテクノロジを検討する必要がある。

ジェスチャ・コントロール、ハイブリッド・クラウド・コンピューティング、モノのインターネット(IoT)、機械学習、識字テクノロジ、音声翻訳

 デジタル・ビジネス(ステージ5):

 力の結節後に到来する最初のステージがデジタル・ビジネス。このステージでは人、ビジネス、モノの統合に焦点が当てられる。このステージでは、IoTならびに物理的世界と仮想世界の境界が曖昧になるという考え方が強力なコンセプトとなる。

 物理的資産はデジタル化され、ビジネス・バリューチェーンにおいて、システムやアプリケーションなど既存のデジタル資産と同等の役割を果たすようになる。力の結節にかかわるテクノロジの先へ進み、デジタル・ビジネスを実現したいと考えている企業が検討すべきテクノロジは以下のとおり。

ライフ・サイエンスR&D用3Dバイオプリンティング、臓器移植用3Dバイオプリンティング・システム、ヒューマン・オーグメンテーション、アフェクティブ・コンピューティング、拡張現実、生体音センサ、バイオチップ、ブレイン・コンピュータ・インタフェース、市民データ・サイエンス、コネクテッド・ホーム、暗号通貨、暗号通貨交換、デジタル・デクステリティ、デジタル・セキュリティ、企業向け3Dプリンティング、スマート・ロボット、スマート・アドバイザ、ジェスチャ・コントロール、IoT、IoTプラットフォーム、機械学習、マイクロデータセンター、自然言語による質疑応答システム、ニューロ・ビジネス、識字テクノロジ、量子コンピューティング、ソフトウェア・デファインド・セキュリティ、音声翻訳、仮想世界、立体ホログラフィック・ディスプレイ、ウェアラブル

 オートノマス(ステージ 6):

 力の結節後の最後のステージがこのステージ。オートノマス(自律)のステージにおいて、企業は人間と同様(ヒューマンライク)な能力または人間に代わる能力を提供するテクノロジを利用することが可能になる。

 自律走行車による人や製品の輸送、またコグニティブ・システムによるテキストの書き込みや顧客からの問い合わせへの回答などは、すべてこのステージを表すテクノロジの例だ。競争力を高めるためにこのステージへ到達することを目指している企業が検討すべきハイプ・サイクルのテクノロジは、以下のとおり。

自律走行車、生体音センサ、バイオチップ、ブレイン・コンピュータ・インタフェース、デジタル・デクステリティ、ヒューマン・オーグメンテーション、機械学習、ニューロ・ビジネス、識字テクノロジ、量子コンピューティング、スマート・アドバイザ、スマート・ダスト、スマート・ロボット、仮想パーソナル・アシスタント、仮想世界、立体ホログラフィック・ディスプレイ

 バートン氏は、次のように述べている。「ハイプ・サイクル上のテクノロジはそれぞれデジタル・ビジネスのいずれかのステージに分類されていますが、企業はこれらのグループ分けに制約されることのないようにしなければなりません。多くのアーリー・アダプター(早期採用者)は、例えば自律走行車やスマート・アドバイザなど、非常に先進的なテクノロジを導入している一方で、同時にモバイル・アプリなど、『力の結節』に関連する分野の技術の改善も続けています」

 なお、10月4~8日に米国フロリダ州オーランドで開催される「Gartner Symposium/ITxpo 2015」では、先進のテクノロジの詳細およびトレンドに関するディスカッションが行われる。また、東京では、10月28~30日に東京・台場のホテル日航東京で開催される。

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著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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