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Oracleライセンスは?クラウドは?OSSは?―RDBMS市場のトレンドと今後のユーザー動向


 すべてをOracleやSQL Serverで…という時代から、適材適所でデータベースを自由に選ぶ時代になっている。とはいえ、企業においてオープンソースのデータベースをすぐに商用データベースと同じように利用するのは難しい。多種多様な選択肢がある中、ユーザー企業はRDBMSについて現在どのようなスタンスを取っているのか。データベース市場動向を見ながら、ITRのプリンシパル・アナリストである生熊清司氏に話を訊いた。

 こ の ま ま Oracle を 使 い 続 け る の か ?

 DB Online Day2016開催!―企業で使う、PostgreSQLのいま

 2016年7月6日(水)13:00~17:30@大崎ブライトコアホール/受講料無料!事前登録制
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RDBMS市場は堅調

 RDBMSは廃れない――IT戦略コンサルティングと各種リサーチを行っているITRが行ったアンケート調査によると、RDBMS市場は堅調に伸びていることがわかる。なお、これはRDBMSのソフトウェア部分だけの数字であり、アプライアンス系の数字はカウントされていない。

国内RDBMS市場規模推移(出典:ITR Market View:DBMS/BI市場 2013,2014,2015,2016)
国内RDBMS市場規模推移
(出典:ITR Market View:DBMS/BI市場 2013,2014,2015,2016)

 

 データベースの市場シェアをベンダー別でみるとどうだろうか?

 生熊「グラフは新規ライセンスのレベニューのみを対象にしています。これを見ると、実は2013年度からマイクロソフトがトップです。」

ITR MV RDBMS市場 ベンダー別売上推移(出典:ITR Market View:DBMS/BI市場 2013,2014,2015,2016)
ITR MV RDBMS市場 ベンダー別売上推移
(出典:ITR Market View:DBMS/BI市場 2013,2014,2015,2016)

 

 もっとも、オラクルのビジネスモデルはすでにサブスクリプション型に移っているので、新規ライセンス分の逆転は予想される範囲といえば予想される範囲ではある。

 生熊「実はうちの資料では2013年度時点でマイクロソフトが新規レベニューシェアではトップです。なので、オラクルがトップなのは、2012年度までですね。ただし、このシェアには、Oracle Exadataのようなアプライアンス製品やMicrosoft SQL Server Fast Track Data WarehouseのようなDWHに特化した製品、SaaSで提供される売上は調査でのカテゴリを分けているので含まれていません。したがって、RDBMS製品市場全体を表しているわけではありません。それとオラクルの場合はサポートライセンス込みの場合は、トップを維持しています。

 ちなみに、このグラフでは上位の5社だけを選んでいる。この5社が日本でのRDBMSのメジャープレイヤーとなる。少し注目なのが富士通の存在だ。国産では、唯一富士通だけがランクインしている。これはある意味、非常に安定的に市場をキープしているとも言える。

ITR プリンシパル・アナリスト 生熊清司氏
ITR プリンシパル・アナリスト 生熊清司氏

 生熊「オラクルやマイクロソフトのように、アプリケーション開発のために富士通以外のSIerが担ぐ…たとえば日立がSymfowareを担ぐとか、そういうことはほとんどありません。ですからやっぱり、富士通アンダーな案件で使われているのがほとんどでしょう」

 その富士通Symfowareが、いま、エンジンも含めPostgreSQLベースになってきている。その辺がどう受け止められるかで、今後の市場も少し変わってくる可能性もありそうだ。

 生熊「日本の企業は、個々の製品ごとに製品ベンダーから直接、製品を購入するよりも、大手国産ベンダーやSIベンダーからハードウェア、ソフトウェア、サービスをまとめて購入することが一般的でした。この10年ぐらい、大手外資系製品ベンダーによる買収が盛んですが、買収によって、それまで付き合ってきた大手国産ベンダーやSIベンダーから製品が調達できなくなってしまった。『外資系ベンダーから直接購入するのは不安だ』といった意見もあります。顧客の間には『日本のベンダーから購入し、サポートを受けたい』というような根強いニーズがあるんですね。なので、信頼を寄せている富士通のような国産大手ベンダーがOSS製品を自社製品として取り扱うことは、エンドユーザーにとってはOSS製品を採用がしやすくなると思います。」

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やっと数字として出てきたクラウドの今後は?

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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