MSプラットフォーム技術者向けのクロスプラットフォーム開発ツール「Xamarin」
そんな同社が、最近特に力を入れているのが、クロスプラットフォーム開発ツール「Xamarin」(ザマリン)を使ったモバイルアプリ開発だ。Xamarinはもともと、マイクロソフトの.NETフレームワークをWindows以外のプラットフォーム上に移植することを目的としたオープンソースプロジェクト「Mono」に端を発する。2016年にマイクロソフトが開発ベンダーを買収した後は、Visual Studioの機能の一部として提供されるようになった。
その成り立ちを見ても分かる通り、Xamarinの最大の特徴は.NETフレームワークの開発環境を使ってiOSやAndroidのアプリを開発できるところにある。この点について、JMAS 事業企画部 プロダクト企画グループの川合俊介氏は次のように述べる。
「私自身もずっとマイクロソフトの開発環境上で開発を続けてきたエンジニアなのですが、従来と同じ開発ツールとプログラム言語(Visual StudioとC#)を使ってWindowsデバイスだけでなく、iPhoneやiPad、Android端末用のアプリまで開発できる点は極めて魅力的です。私のように、マイクロソフトの開発環境に慣れ親しんだエンジニアにとって、これまでモバイルアプリ開発は少しハードルが高いところがあったのですが、Xamarinはこれを解消してくれました」
Xamarinを使ってクロスプラットフォーム開発を行う場合、アプリによってはプログラムコードの8~9割はすべてのプラットフォームで共通になり、プラットフォームごとに個別にネイティブアプリを開発する場合と比べ、工数を約半分にまで削減できるケースもあるという。また、かつてのクロスプラットフォーム開発ツールで開発したアプリは、実行速度に課題を抱えることが多かったが、Xamarinで開発したアプリは「ネイティブアプリとほぼ同等か、場合によってはそれ以上のパフォーマンスが出ることもあります」(川合氏)。
さらには、モバイルアプリの今後のトレンドに対応していく上でも、Xamarinを使ったクロスプラットフォーム開発にはメリットがあると川合氏は述べる。
「Windows 10とWindows Phoneの登場により、今後はさまざまな種類のデバイス上で共通して動作するUWPアプリが主流になっていく可能性が高いと思います。こうした今後のモバイルアプリ開発の潮流を先取りする意味でも、今のうちからXamarinのクロスプラットフォーム開発に親しんでおくことにはメリットがあると考えています」
また傅寳氏は、今後はクロスプラットフォーム開発とともに、クラウドがモバイルアプリ開発においてますます存在感を増してくるだろうと予測する。
「Xamarinのようなツールを使ってフロントエンド部分の開発を効率化するとともに、バックエンドの開発もこれまでのように自前でインフラを構築するのではなく、Microsoft Azureに代表されるクラウドサービス、それもIaaSだけでなくPaaSをいかに有効活用できるかが鍵を握ってくるでしょう。その点、Microsoft Azure の『Mobile Apps』や『 Mobile Engagement』は、モバイルソリューションを極めて速く・安く立ち上げられるクラウドプラットフォームとして、弊社が提唱するグロースハッキングモデルを推進する上で大きな期待を寄せています」
JMASでは今後、機械学習などの新しい技術も積極的にモバイル開発に組み込んでいくという。また、モバイルだけでなく、ウェアラブル端末、ロボット、センサーなど様々なデバイスに対応したアプリケーション開発も推進していく。
スマートデバイスの活用が、単なる便利ツールからビジネスの武器へと大きく変化しているなかで、同社が推進するグロースハッキングモデルによるモバイルアプリ開発の取り組みは、ビジネス環境の変化に対応できる柔軟性とスピードを兼ね備えている。ビジネス価値や企業競争力を高めていきたい企業にとって、JMASは心強いビジネスパートナーだといえるだろう。
モバイルアプリ開発の成功ポイントを解説!『ビジネスに効果的なモバイルアプリ開発の勧め』(無料PDF版)
本資料『ビジネスに効果的なモバイルアプリ開発の勧め~クロスプラットフォーム開発(Xamarin & Azure) ~』は、2016年にマイクロソフト社によりOSS化・無料化が行われたことで最も注目されている「Xamarin」によるクロスプラットフォーム開発について事例を交えて紹介した資料です。ぜひ、本資料をご参照いただき、モバイルアプリケーション開発ツールの選定材料や参考情報としてお役立てください。