デジタル変革の恩恵は大手も中小も同じ
SAPジャパン バイスプレジデント ゼネラルビジネス統括本部 統括本部長 牛田 勉氏は、「SAPのサービスはまだまだ大手企業向けのイメージが強いが、ここ最近は中堅、中小企業向け施策にも力を入れており、今回は社内組織の改定も行い積極的に取り組んでいる」と語る。この背景にはデジタル変革により得られるビジネスのメリットが、大手企業だけでなく中堅、中小企業にも同じようにあること。そして大手だけでなく中堅、中小企業のデジタル変革についても、SAPは積極的にサポートしていくことの表れでもある。
SAPが調査会社のIDCに依頼した世界の「中堅中小企業に潜在するデジタル変革への可能性」調査の結果を見ても、この戦略が正しいことが裏付けられる。調査では従業員1,000人未満の企業のうち46.5%が、今後3年から5年の間にデジタルエコノミーへの積極的な参加が不可欠だと回答している。さらに、従業員100人未満の企業38.2%からも、同様の回答を得ている。
調査対象の中堅、中小企業の5社中4社が、デジタル変革を進めた結果として具体的なメリットがあったと回答している。そしてメリットを感じた企業の5分の2が、デジタル変革の導入は容易かもしくは思った通りに実現できたと回答している。このデジタル変革の容易な実現に貢献しているのが、もちろんクラウドだと牛田氏は指摘する。
中堅中小企業におけるデジタル変革の取り組みとしては、コラボレーション・ソフトウェアやCRM、Eコマースアプリケーションなどの導入があり、これらのアプリケーションの導入では、3分の1がクラウドで行われている。つまりはクラウド型のこれらアプリケーションの導入が、中堅、中小企業のデジタル変革のきっかけになっていると言ってよさそうだ。