SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

PM Conference2008レポート

大規模プロジェクトを成功に導く見取り図のつくり方

プロジェクトのスケジュールと進捗をはかる~エンジニアリング業界のベスト・プラクティス公開~

スケジュールにロジックを組み込み、日々刻々と変化する状況を把握する「フォアキャスト・スケジュール」の手法。成果物からモジュール、画面、従業員に至るまであらゆる管理対象に付与されたIDでコミュニケーションのぶれを排除する「コントロール・リスト」。そしてプロジェクト成功のための見取り図「WBS」。数々の大規模プロジェクトを手がけてきたエンジニアリング業界の雄、日揮の佐藤知一氏が開陳するプロジェクト管理の極意。

受注産業としてのエンジニアリング業界とIT業界

エンジニアリング業とは何か

 エンジニアリング業というのは、工場づくりのプロフェッショナル集団です。プラントメーカーという表現もありますが、私ども自身が工場をもっているわけではなくメーカーではありませんので、この言葉には違和感があります。製造業のお客様から発注をいただくと、様々な種類の専門メーカーからモノを購入し、必要とされる工事業者に依頼して工場を建設する。純粋なプロジェクトマネジメント業なのです。

 工場とは、機械、設備、建築物などの様々な要素を有機的に結びつけたひとつのシステムであり、その意味で我々はシステムインテグレーターでもあります。また、客先それぞれに個別の仕様がある個別受注のビジネスでもあります。もともと欧米で発達した業種であり、当社でいえば、今年85%が海外の案件です。日本国内では専業は3社しかありません。

日揮株式会社 第2プロジェクト本部 EPC技術強化グループ 担当部長 佐藤知一氏
日揮株式会社 第2プロジェクト本部 EPC技術強化グループ 担当部長 佐藤知一氏

SIとエンジニアリングの類似点

 SI系のプロジェクトとエンジニアリングのプロジェクトを比較してみます。顧客の要求がなかなか明確でないと、SI系はよく言いますが、エンジニアリング業界でも、国内の顧客に関しては同じです。何十億という予算規模のプロジェクトが、当初3枚くらいのペーパーから始まるということさえあります。そこからスタートして様々な提案作業が始まる。また、契約もSI系では一括請負契約というのが普通ですが、エンジニアリングでも国内は同じで、その意味ではよく似ています。

 ちなみに、海外ではどうかと言うと、仕事は契約書・仕様書・図面の束から始まりますし、一括請負契約もありますが、「コスト・プラス・フィー」といって、かかった金額に対して一定のフィーを乗せて請求するというやり方もあります。

 元請けと協力会社という受注体制も、システムインテグレーション業界と同じです。その構築プロセスも、設計してモノをつくって(組み立てがありますけれども)単体テスト、総合テストをするというところは同じだと言えます。

客先の違いでプロジェクトの進め方が変わる

 では何が違うかと言えば、つくったものが見えるか見えないかというところです。エンジニアリング業界では、成果物が目に見えますが、ITではそれが見えにくいということは大きな違いです。

 また、日本・イタリア・フランスのお客様と英・米のお客様とでは違いがあります。前者はどちらかというと「おまかせ」で、結果重視というところがあります。できあがったものが気に入るか気に入らないかというところが大事になる。こちらは一括請負契約の傾向が強い。

 ところが、米英のお客様はプロセス重視で、途中途中で自分たちの要求、注文がきちんと反映されるかどうかということを重視します。この場合、コスト・プラス・フィー契約が必然的に通りやすい環境があります。

次のページ
フォアキャスト・スケジュールで正確な予実管理を

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
PM Conference2008レポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

陣内 一徳(ジンナイ カズノリ)

埼玉大学教養学部卒業。編集者・ライター。有限会社アーカイブ代表取締役。
書籍の企画編集・DTP制作からウェブやPR誌等の取材原稿作成まで。とくに技術系のテーマが多いが、それに限らず幅広いジャンルを手がける。最近は、企業・団体の社史などの取材原稿作成で飛び回っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/915 2009/01/29 09:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング