新たなセキュリティリスクとなる「ジェネレーションY」
仕事の合間にブログ更新やネットショッピングで買い物をするなど、ネットの私用に身に覚えのある人も多いかもしれない。こうした行為がコンピュータウイルスの感染源となる危険性もあることから、米国のIT企業が急速に危機感を強めている。
2008年の11月以降、半導体メーカーのインテルや調査会社など3社から立て続けにレポートが発表された。いずれも若手社員のパソコン利用が、企業のセキュリティリスクを高める新たで、深刻な要因になっているというものだ。
ここでいう若手とは「ジェネレーションY」と呼ばれる世代で、1980年代以降に生まれた人々。60年以降に生まれたX世代と区別するためにこう名づけられた。情報ツールに囲まれて育ったため、それ以前の世代とは思考や行動様式が異なるといわれている。日本では、バブル景気以降に生まれた世代を指すことが多い。
アクセンチュアがジェネレーションY世代400人以上に行った調査によると、これらの世代はネット利用に関してセキュリティに関する意識が薄いことが分かる。
例えば、会社はサポートしていないが仕事に関係することで使っているテクノロジーやサービスはどんなものかという質問では、携帯電話に次いでインスタントメッセージやSNS、パブリックウェブサイトなどが並ぶ。
オープンソースコミュニティーやSNSを通じて入手する無料ソフトウエアにはウイルスが混入しているケースもあるが、気にせずに無料マッシュアップやウィジェットなどのツールをダウンロードすると答えた人は全体の3分の2以上に上った。
自身のプライバシーの公開に関してもオープンな傾向があり、26%の人がオンラインで自分や友人のプロフィールを公表し、17%の人が日々の生活の詳細についてブログなどで伝えているという。会社の機密情報がうっかり書き込まれてしまうこともありえるわけだ。