PaaSでコンテナ技術の課題を解決できる
そこでPaaSである。アプリケーション開発者が準備・開発するものを比較すると、IaaSではミドルウェア、ランタイム、データ、アプリケーションとなるが、PaaSならデータとアプリケーションだけになる。
吉田氏は「Dell EMCのPaaS(Pivotal Cloud Foundry、以下PCF)を導入すれば、アプリ実行環境の準備は完全に自動化します」と言う。サーバー管理者やネットワーク管理者に依頼していたインフラ構築やファイアウォール設定などが全て整う。もちろん、コンテナ機能も入っている。
ここまで「まるっと」そろうとワンストップで環境が準備できる。IaaSでは仮想マシンのプロビジョニングから始まり、ランタイムのインストール、アプリケーションの展開、ロードバランサーの設定、SSLの設定、データサービスへの接続、ファイアウォールの設定をしていたものが、PaaS(PCF)なら“cf push
”コマンドを実行し、アプリケーションをPFCにプッシュ(アップロード)するだけで済んでしまうのだ。吉田氏によれば「1日かかっていた作業が数分で終わる」のだという。
また、PCFはサービスだけでなく、ソフトウェアとしても提供されている。それを使えば、VMware、OpenStack、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどの上でもPCFによるPaaS環境を用意できる。アプリケーション開発者はコードをアップロード(push)すれば、PCFが開発言語を判別し、自動的にアプリケーションの実行環境を準備してくれるのだという。
アプリケーションをスケールアウトさせる場合も同様で、「“cf scale
”コマンドを実行するだけです。後は、PCFが新しいコンテナを起動し、ロードバランサーを設定してくれます」(吉田氏)
ここまでたっぷりの解説内容だったが、実際にはここまで約50分(10分ほど押した)。当日のプログラムによると、次はいよいよPCFを使ってPaaSを体験するハンズオン(前編)である。解説を聞いた市古は、「こんなに面倒でたくさんある作業を、アプリケーション開発者、インフラ管理者の人たちはずっと行っているとしたら、これは省力化したくなるよ〜。自動化もそうだけど、そもそも作業自体を減らさないと、アプリケーション開発に絶対集中できないよね。記事をアップするのに毎回サーバーを立ち上げたりなんて、自分なら全く御免こうむる」と漏らし、PaaSの必要性を理解した様子であった。
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