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Dell EMC PaaSセミナー体験レポート(AD)

Pivotal Cloud FoundryでPaaSを体験! 構成管理なし・手ぶらでデプロイできる驚きの快適さにやはり感動

 アプリケーションは、クラウド上での運用を前提に開発することが一般化してきている。また、アプリケーションやサービスの開発はますます短期化・効率化が求められるようになり、そのためのインフラも「構築」から「調達」へ発想を切り替える必要が出てきた。昨今、PaaS(Platform as a Service)への注目が急速に高まっているのには、こうした背景がある。EnterpriseZine編集部でもこうした流れを感じ、Dell EMCが開催した「ゼロから学べる! PaaSハンズオンセミナー」(参加費無料)に部員を参加させてみることにした。本稿はその体験レポートである。

アジャイル開発でビジネス価値を最大化――それには新しいIT環境が必要

 Dell EMCはIT部門のシステム管理者やアプリケーション開発者向けに「ゼロから学べる!PaaS ハンズオンセミナー」実施している。セミナーは「Pivotal Cloud Foundry」についての概要とハンズオンで基本操作を行う。PaaSが半日で実感できるコースとなっている。

 このセミナーを、PaaSに触れた経験はほとんどないという、EnterpriseZine編集部の市古明典が体験した。市古はこの4月にEnterpriseZine編集部へ異動してきたばかり。いわばデビュー戦である。「むしろ、あまり経験のない方に体験していただき、感想を述べてほしい」というDell EMCからの要請で、今回の体験に抜擢された。席に着くと「PivotalっていえばCloud Foundryの総本山ですよね。PaaSの高野山ですね」(市古)とよく分からないたとえを言う。そんなに無理やりなレポートは期待されていないだろう。しばらくすると講師が姿を現して、セミナーが始まった。

 講師を務めてくださったのは、EMCジャパン クラウドプラットフォームスペシャリスト 吉田尚壮氏だ。吉田氏は最初に、PaaSが求められている背景から解説を始めた。

写真:EMCジャパン クラウドプラットフォームスペシャリスト 吉田尚壮氏
写真:EMCジャパン クラウドプラットフォームスペシャリスト 吉田尚壮氏

 ITを軸にして、企業はいま大きな2つの転換期を迎えている。1つはIT変革、もう1つはデジタル変革だ。後者については企業の意識が着実に変化しつつある。2016年3月にDell EMCは世界16カ国12業種の大規模・中規模企業のビジネスリーダー4000人を対象にしたデジタルビジネスに関する意識調査を実施した。これによると「自社が事業を展開している業界において過去3年間で劇的な変化を経験したことがある」との回答は全体で52%(日本では33%)あり、市場の変化に直面した割合が半数を超えている。

 競合に関しては危機感も表れている。「デジタル時代の新興企業は現在または将来における脅威である」と回答したビジネスリーダーは全体で78%、日本で74%。また、「デジタルテクノロジーが発展した結果、新たな競争企業が参入している」と回答したのは全体で62%、日本で32%だったという。

 興味深い例として、吉田氏は米自動車メーカーのフォードを挙げた。2016年1月、フォードCEOのMike Fields氏はデトロイトで開催された自動車ショーにて「今日はフォードが生まれ変わる日。モビリティカンパニーになる」と述べ、フォードが自動車メーカーから移動ソリューションを提供するサービス業となることを宣言した。

 かつて、フォードの競合といえば当然ながら自動車メーカーだった。しかし、近年新興のテスラが競合に加わり、現在ではUberだという。いまフォードは「FordPass」というスマートフォン向けアプリから、クルマの保守や操作といったサービスを提供している。

 時代が急速に転換していることはスマートフォンのアプリからも明確だ。昨今の厳しいビジネス状況を考えると、アプリには機能をいち早く搭載し、リリースできるようにしなくてはならない。そうなると、新しいIT環境が必要になる。開発言語はPython、Ruby、Node.jsで、アプリケーション実行環境はコンテナとなる。アーキテクチャはスケールアウト型で俊敏性と伸縮性を重視し、可用性はハードウェアではなくアプリケーションで担保するのが一般的だ。クライアントサーバー型のような従来のIT環境とはまるで構成要素が異なる。対照的といっていいだろう。

 にもかかわらず、企業が持つデータを活用していくためには、従来のIT環境と新しいIT環境の間でデータを共有する必要がある。そのため、企業ITは両者をうまく連携できるようにバイモーダル(次図)にしなくてはならないと、吉田氏は説く。

図1:バイモーダル(Bimodal)の概念図。左側の地が青い部分は「モード1」と呼ばれる従来のIT環境。「SoR(Systems of Record)」とも呼ばれ、システムの主目的はIT変革で、システム要件は確定的である。一方、右側の地が緑の部分は「モード2」と呼ばれる新しいIT環境。「SoE(Systems of Engagement)」とも呼ばれ、システムの主目的は(ビジネスの)デジタル変革で、システム要件は不確定(手探り)である(出典:本セミナー資料。一部改変)
図1:バイモーダル(Bimodal)の概念図。左側の地が青い部分は「モード1」と呼ばれる従来のIT環境。「SoR(Systems of Record)」とも呼ばれ、システムの主目的はIT変革で、システム要件は確定的である。一方、右側の地が緑の部分は「モード2」と呼ばれる新しいIT環境。「SoE(Systems of Engagement)」とも呼ばれ、システムの主目的は(ビジネスの)デジタル変革で、システム要件は不確定(手探り)である(出典:本セミナー資料。一部改変)

 また、これを情報のサイクルから見ると次図のようになる。企業ではECサイトのデータのほかSNSやIoTからのデータも集約し、データサイエンティストらが分析し、ビジネス部門が新しい知見をサービス化し、アプリ開発担当がアジャイルに開発してECサイトに機能を追加する。

図2:デジタル変革を支えるIT(情報のサイクル)(出典:本セミナー資料)
図2:デジタル変革を支えるIT(情報のサイクル)(出典:本セミナー資料)

 アプリ開発担当はIT担当とDevOpsで連携し、またビジネス部門と組んでアジャイル開発を行う。アプリケーション開発はマイクロサービスを組み合わせ、環境はコンテナ技術で素早く準備するのがトレンドだ。

 「先のフォードの例はまさにアジャイル開発はじめ、新しいIT環境がなくては実現しえません。モダンなWebアプリケーション開発ではアプリケーションのビルド、テスト、リリース、メンテナンス、アップデート、リタイアといったライフサイクルを、不断に回し続けていく必要があるからです」(吉田氏)

 解説の中で次々に登場する新しいIT環境のキーワード。ただ、市古は「ビジネスで起こりつつあることと、IT技術で起こっていることがリンクされた解説でわかりやすい」と満足げだ。「こう整理して話してもらうと、概念としてそんなに難しいものではない気がしてきます。ただ、適用や実行には、自社のビジネスや顧客企業のビジネスを見直す必要がありますよね。実はそれが一番大変な作業かもしれませんが」(市古)

 吉田氏の解説は、いよいよ「じゃあ、なぜPaaSなの?」に入っていく。

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コンテナ技術が抱える課題・コンテナ技術では解決できない課題

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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