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ハンズオン前編:アカウント作成からアプリケーションのプッシュまで

 さて、ハンズオンの前編である。まずはPFCを使う準備として、PFCを提供しているクラウドプラットフォーム「Pivotal Web Services」(以下、PWS)のアカウントとスペースを作成。それから、アプリケーションをプッシュするところまで行った。PWSは、PCFをパブリックなPaaSとして提供しているサービスである。

アカウント作成からスペース作成まで

 PWSを使う場合、それへの登録が必要になる。最初だけだが、これもまた重要な作業の1つ。会場のパソコンからPWSサイトにアクセスし、試用アカウントを登録(サインアップ)する。ここは受講者のメールアドレスを用いて正規の手順で登録する。2段階認証があるため、市古は自身のスマートフォンを用いながらアカウント作成を行う。

図9:スマートフォンに届いた本人確認のメール
図9:スマートフォンに届いた本人確認のメール

 なお、このハンズオンでは実際に作成したアカウントでサービスを利用する。セミナーの実習では無料枠の範囲内に収まるはずなので、課金は発生しないとのことだ。課金は使用したメモリ量で課金される。吉田氏は「アカウントが不要な場合、課金が生じないように本セミナー終了後にアカウントを速やかに削除することをおすすめします」と念を押していた。

 アカウント作成を終えると、組織とスペースの作成を行う。無料試用の画面から任意の組織名を設定。市古は組織名に「Org-Ichigo」と設定した。この「Org-Ichigo」に新たなスペース「Production」を作成する。画面から[+Add a Space]をクリックしスペース名を入力して[Save]をクリックすればできあがりだ。

図10:Org-Ichigo組織にProductionスペースを新規作成した
図10:Org-Ichigo組織にProductionスペースを新規作成した

アプリケーションのプッシュ

 続いて、アプリケーションのプッシュを行ってみる。まずは、手元のハンズオン用Windows PC上の仮想マシンで稼働しているCentOSに、git bashというコマンドプロンプト上でLinuxコマンドを使用できるツールからログインする。このCentOSにインストールされているCloud Foundryクライアントコマンドツール「cf CLI」を使うためだ。以降、作業はLinuxコマンドを実行して進めていく。用意された手順書のとおりにコマンドを入力していくだけだが、Linuxの基礎知識があるほうが戸惑わないかもしれない。

図11:ハンズオン環境(出典:本セミナー資料)
図11:ハンズオン環境(出典:本セミナー資料)

 CentOSにログインしたら、続いてPWSにログインする。“cf login”からはじまり、API endpoint、アカウントID、パスワード、組織名、スペース名などを入力していく。コマンドのcfはCloud Foundryの意味だ。

$ cf login
API endpoint > https/api.run.pivotal.io
Email > (登録したメールアドレスを入力)
Password > (登録したパスワードを入力)
Authenticating...
OK

Select an org (or press enter to skip):
1. Org-Ichigo

Org> 1
Targeted org Org-Ichigo

Select a space (or press enter to skip):
1. development
2. Production

Space> 1
Targeted space development

 ログインが完了したら“cf push”コマンドでアプリケーションをプッシュする。このハンズオンでは、Pythonで書かれたアプリケーションが手元のPCに準備されているため、コマンドを入力すれば自動的に言語判別されて処理が進んだ。正常にアプリケーションがプッシュされ、動作を開始すると「OK」が表示される。

写真2:PCF初体験の市古氏。コマンドを実行するたび祈るような気持ち
写真2:PCF初体験の市古。コマンドを実行するたび祈るような気持ち

 続いて、PWSの管理画面(コンソール)から作業する。先ほど選択したdevelopmentスペースの表示を見ると、プッシュしたアプリケーションが1つ稼働しているため、APPSが1になっている。

図12:developmentスペースでアプリが1つ稼働していることが分かる
図12:developmentスペースでアプリが1つ稼働していることが分かる

 また、developmentスペースをクリックして詳細を見ると、プッシュしたアプリケーションが「Running」と表示されている。念のため「Route」にあるURLをクリックし、プッシュしたアプリケーションのURLを開いて確認すると、ちゃんと稼働していることが分かる。アプリケーションはWebで公開されているから、スマートフォンからも確認してみる。

図13:アプリケーションが稼働していることをスマートフォンでも確認
図13:アプリケーションが稼働していることをスマートフォンでも確認

 ハンズオン前編の最後に、アプリケーションのDeleteも体験してみようと、吉田氏から指示が出た。developmentスペースに表示されているアプリケーション名をクリックし、アプリケーションの詳細画面を開く。そこで[Delete App]をクリックすると、アプリケーションはたちどころに削除された。組織の管理画面を開くと、アプリケーション数(APPS)が0になっているのが確認できた。

図14:[Delete App]をクリックしてプッシュしたアプリケーションを削除
図14:[Delete App]をクリックしてプッシュしたアプリケーションを削除
図15:アプリケーション数(APPS)が0になった
図15:アプリケーション数(APPS)が0になった

 ここまで、とりあえず用意されたサンプルアプリケーションをプッシュし、動作を確認した後、アプリケーションを削除するまでの一連の作業を体験した。「“cf push”コマンドを実行するだけで、アプリケーションのコードがアップされるだけでなく、デプロイされ、アプリケーションが動きだすのはすごい!」と市古。PaaSでなければ、もっと手数が掛かるだろう。

 一方で、「組織」や「スペース」といったCloud Foundryの概念を知らないまま作業し、動作を確認してきたので、何をやっているのかまでは理解できなかったようだ。この辺りも併せて理解できると、もっと楽しいのかもしれない。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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