ハイブリッドクラウドのためにミッションクリティカルなアプリケーションを動かすクラウドを
ITトランスフォーメーションで既存のIT環境をシンプル化してコストを削減し、その分をビジネスの革新となるデジタルトランスフォーメーションに投資するというシナリオだ。このITトランスフォーメーションは、Dell EMCのビジネスにとって、大きなものである。
Dell EMCが考えているITトランスフォーメーションのためのITインフラは、ハイブリッドクラウドだ。このハイブリッドクラウドの環境を実現に必要となるのが、データセンターの近代化。コンバージドなインフラを導入して、IaaS的な環境をデータセンターに構築する。そしてそこにインテリジェンスを加え、自動化を実現する。結果的にデータセンターのオペレーションの変革をすることになり、コストも削減できるという。
このITトランスフォーメーションの鍵はアプリケーションだ。ハイブリッドクラウドの上で、アプリケーションをどう動かすかを十分に考慮することが重要になるからだ。ゴールデン氏も「クラウドはアプリケーションを動かす場所の話ではなく、実現の方法のことです」と語る。この「クラウドは場所ではなく実現方法」と言うのは、どうやらDell EMCのクラウドに対するメッセージとして、全社統一されているようだ。そのため、今回のイベント期間中何度か開催されたプレス向け説明の場でも、複数のスピーカーから同様の発言を聞くことになった。
ほとんどのパブリッククラウドのベンダーは、汎用のアプリケーションを動かすことにこれまで重点を置いてきた。あるいは、クラウドネイティブなアプリケーションを動かすことしか考えていない。とはいえ、企業が動かしたいアプリケーションはそれらだけでない。企業の業務を効率化するためのミッションクリティカルなアプリケーションが数多くある。現状、それらのミッションクリティカル・アプリケーションは、オンプレミスの専用ハードウェアの上か、その上の仮想環境で動いているものがほとんどだ。つまり企業は、この面からもハイブリッドクラウドを選択することになるのだ。
Dell EMCでは、ミッションクリティカルなアプリケーションをパブリッククラウドで動かすことにも取り組んでいる。そこでクラウドインフラで効率的にミッションクリティカルなアプリケーションを動かすための特別なソフトウェアを開発している。それを使っているのが、ミッションクリティカルなアプリケーションの稼働に特化したパブリッククラウド・サービスであるVirtustreamというわけだ。