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パーソナルテクノロジでは機械学習・AI、仮想パーソナルアシスタントが上位に――ガートナーがトップ10発表

2017/08/24 15:15

 ガートナー ジャパンは、デジタルビジネスをサポートするパーソナルテクノロジのトップ10を発表した。ガートナーは、「パーソナルテクノロジとは、オンラインで24時間つながっていることで、モノや人との双方向のやりとり・出来事・行動が次々と発生する時代において、包括的なデジタルライフスタイルを実現するパーソナルなデバイスやアプリケーション、サービスに直接関わるテクノロジを意味する」と定義している。

 現在利用できるすべてのパーソナルテクノロジについて、どのテクノロジがエンドユーザーにとってのチャンスや好機となるのか、またどのテクノロジが注視に値するほどには成熟していないのかを企業が判断するのは、決して簡単なことではない。しかし、これらのテクノロジは、正しく活用することでビジネスに大きな影響をもたらす可能性がある。

 テクノロジ製品/サービス管理リーダーは、ガートナーが選んだ以下のパーソナルテクノロジのトップ10を自社のロードマップおよび戦略に取り入れて、顧客のデジタルビジネスイニシアティブの支援に活用する必要があるとしている。

 1. 機械学習(ML)/人工知能(AI)

 機械学習は人工知能の技術の1つで、一連の観測データから認識された情報やパターンを抽出する。このテクノロジは、産業および商業の分野で工程の自動化やパターンの認識にも使われる。また、タスクの自動化による効率の向上といったデジタル化や、不正検知や顧客行動パターンの発見といった業務機能の最適化など、デジタルビジネスの機会と共に急速に進化している。ただし、その成否はデータの品質およびシステムの継続的な監視とメンテナンスに左右される。

 2. 仮想パーソナルアシスタント(VPA)

 Apple SiriやAmazon Alexa、Microsoft Cortanaなど、VPAの認知度は引き続き高まっており、ガートナーが2016年に実施したモバイルアプリ調査では、回答者の35%が過去3か月以内にスマートフォンでVPAを利用したと回答している。Microsoft Cortanaなど一部のVPAはビジネスの世界へと広がりつつあり、他のプロバイダーもエンタプライズ特化型のVPAを作成している。

 ビジネスでは、即時レスポンスや、業務の生産性を高めたりクライアントとのコミュニケーションを向上させたりする情報へのアクセスといった機会がある。ただし、VPAには非常に現実的な技術面・セキュリティ面の懸念があるため、企業は細心の注意をもって進んでいくべきだ。

 3. イマーシブテクノロジ(拡張現実 [AR]/仮想現実 [VR])

 イマーシブテクノロジは、ユーザーや社員が、物理的環境およびデジタル環境や、彼らが使用するデバイスとやりとりする方法を変える可能性を有している。このテクノロジは現実世界とデジタル世界を融合させるが、現在は開発フェーズのごく初期段階にある。ビジネスにおいて考えられる用途は、社員研修、保守・修理、設計・開発、医療など、さまざまな業界や業務分野にわたる。ただし、まだ出現したばかりの新しいテクノロジであるため、企業は誇大な宣伝に惑わされないようにすべきだ。

 4. 3Dプリンティング

 3Dプリンティングは、これまでの方法では製造できなかった形状を含め、ほぼあらゆる形状の物理的オブジェクトをさまざまな材料で作製する能力を提供する。このテクノロジは既に多様な分野で本格的に活用されており、今後も急成長と進化を続けていく。このテクノロジによって企業は製品開発のサイクルタイムを短縮できるようになるとともに、医療用インプラントのような一点物の製品を作製できるようになる。

 また、航空宇宙分野ではより軽量な部品の製造など、3Dプリンティングならではの機会も提供する。この分野では企業秘密や知的財産に関する懸念もありるが、新しいプリンタと材料は絶えることなく出現している。

 5. 位置センサ/追跡(モノと人)

 位置センサ/追跡テクノロジによって、モノや人の位置を追跡することが可能となり、デジタルなオブジェクトを現実世界にひも付けるビジネスアプリケーションが登場している。現在一般的に使われている範囲では、価格も精度もレベルが異なる約25のテクノロジが存在し、企業の検討対象としても幅広いオプションがある。

 位置認識型の自動車保険から病院におけるリアルタイムでの医療機器の利用状況・位置確認まで、これらのテクノロジは多様なビジネスの機会を提供する。ただし、現実問題として顧客の同意やプライバシーが重要課題となっており、これを軽視すると、深刻なブランドダメージを引き起こす恐れがある。

 6. 3Dカメラ

 このテクノロジによって画像に奥行きを持たせることが可能になるため、企業は物体を測定したり、3Dコンテンツを物流計画やジェスチャ/顔認識などに利用したりすることが可能になる。このテクノロジは、ビジネスプロセスを合理化する可能性を秘めているが、誇大な宣伝も多く存在している。また、エンタプライズレベルのソリューションは非常に高額になる場合がある。

 7. 生体認証

 生体認証は、ユーザー固有の生物学的特徴を使用するテクノロジで、顔認識や虹彩認識などのテクノロジが含まれる。MicrosoftのWindows Helloでは、3Dカメラを使用して顔と指紋を認識する。生体認証は、パスワードやPIN(暗証番号) よりも高度なセキュリティを提供する。

 一部の生体認証テクノロジはいまだ初期導入フェーズにありますが、指紋認証や音声認証といったテクノロジは非常に成熟している。生体認証テクノロジによって、モバイルショッピングのさらなる合理化や、建造物のセキュリティ向上の実現が可能になる。基本的に、より高速で簡単な認証によって効率性やユーザーエクスペリエンスが改善するあらゆる分野で、導入メリットが期待される。

 8. ウェアラブルデバイス

 ウェアラブルデバイスには、既に成熟しているリストバンドから第1世代のVRヘッドセットまで、幅広い多様なテクノロジが含まれる。そのため、広くウェアラブルデバイスと言った場合、医療分野のスマートパッチからスマートウォッチやリストバンドによるモバイルペイメント、産業分野における保守や修理までを指し、多くの業界に潜在的なビジネス機会を提供する。

 ウェアラブルデバイスは、利用者に価値を提供する、より大きな仕組みの中の一部にすぎない。企業は、まずウェアラブルデバイスの選択に入る前に、それが自社のデジタル・ビジネスのどこでどのようにフィットするのかを検討することが重要だ。

 9. チャットボット

 チャットボットは会話型インタフェースおよび自動化ツールであり、さまざまな製品が存在するが、成熟度は千差万別だ。多くの企業にとって、ソリューションを提供するプラットフォームを見つけることは簡単だが、製品間の標準化はほとんど行われていない。チャットボットはコールセンターにおける簡単な内容の応答サービスに使用したり、スケジュール設定や予約システムなど、社内で利用したりすることができる。チャットボットの市場は未成熟で断片化しているため、企業はその選択を、将来的に変更が可能な戦術的意思決定として捉えるべきだ。

 10. ワイヤレス給電

 ケーブルを使わずに電子デバイスを充電できるワイヤレス給電には2つの方式がある。1つは熱や光など周辺環境からエネルギーを収集するパワー・ハーベスティング、もう1つは携帯電話など電子デバイスのユーザーが充電器を持ち運んだり充電に気を煩わせたりせずに済むワイヤレス充電になる。

 ほとんどの消費者向け電子デバイスはワイヤレス充電をサポートしておらず、また現時点でデジタル・ビジネスにおける基本的な価値の1つとして提供されることは滅多にない。しかし、このテクノロジはバッテリ寿命の向上によってプロセスの利便性と効果を高めるとともに、例えば電気自動車の充電など、いくつかの特化分野で業界的に大きな影響のあるユースケースが存在する。

 なお、ガートナーは、CIOをはじめとするITリーダーが一堂に会する世界的なイベント「Gartner Symposium/ITxpo 2017」において、先進のトレンドについてさらに詳しいプレゼンテーションが行うという。「Gartner Symposium/ITxpo」は、10月31日~11月2日に東京で開催される予定だ。

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著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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