ServiceNow Japanは9月2日、「Autonomous Security」ビジョンおよびこのビジョンを加速化する6つの統合ソリューションを発表した。
同日に開催された記者説明会には、同社 社長執行役員の鈴木正敏氏が登壇。同社がセキュリティ領域において、既にグローバルで10億米ドル以上のビジネス規模を有し、世界トップ10に入る実績があることを強調した。セキュリティ運用の根本には同社が培ってきた構成管理データベースであるCMDB(Configuration Management Database)による資産管理があることを示し、CMDBによるIT運用の自動化プラットフォームこそが同社の強みになると述べた。
同社 専務執行役員 COO(最高執行責任者)の原智宏氏は、AI時代における方向性として「セキュリティのためのAI」「AIを守るセキュリティ」という2つの論点を示した。その上で同社は、管理されていない資産や管理外のAIエージェントなどを限りなくゼロに近づけるビジョンである「Shift Zero(シフトゼロ)」を提唱する。これは、セキュリティを事後対応から予防へ、人のスピードからマシンスピードへ、引いては見えない状態からガバナンスが行き届いた状態へと変革するアプローチだという。
原氏は、このビジョンを具現化する自律型の統合ソリューション「Autonomous Security」を構成する6つの領域を発表した。これらは「統合エクスポージャー管理」「継続的な脆弱性検知」「アイデンティティ&アクセスセキュリティ」「エージェンティック インシデントレスポンス」「サイバーフィジカルセキュリティ」「サイバーリスクとコンプライアンス」で構成される。これらの領域には自律型AIが組み込まれており、たとえば18ヵ月ごとに倍増するマシンアイデンティティの制御など、爆発的に拡大する攻撃対象の管理を自動化するという。これにより、組織は脅威が侵害につながる前に、マシンスピードでリスクを予防、抑止、修復できるようになるとしている。
原氏は、様々なツールの中に分断されているリスク情報を人が手作業で集めてレポート化している現状を指摘し、同ソリューションの導入によって対外的な説明責任に関わる時間軸を約75%削減できると説明する。個別最適の個別ツール運用を廃し、AIエージェントが能動的に動作してインシデント対応やベンダースクリーニングをエンドツーエンドで自動化する。これにより、人手によるトリアージ待ちを排除し、マシンスピードで襲い来る脅威に対して予防から修復、コンプライアンス遵守までを自律的に完結させることを強調した。
同社が近年買収した、エージェントレスで非IT資産を検出する「Armis」と、非人間系のID管理に強みを持つ「Veza」の技術が、同社のAIプラットフォームへ完全に統合されたことを指摘する。これにより、企業の司令塔となる「AI Control Tower」のもとで、散在する資産やアイデンティティ、AIエージェントの挙動までを一元的に可視化・制御することが可能になったとしている。また、アクセンチュアとの共同サービスにより、レガシーリスク管理基盤から同社プラットフォームへの移行を自動化するソリューションの提供を開始したことも、企業の移行コストと複雑性を軽減する一手となると強調した。
続いて同社 執行役員 ソリューション営業統括本部長の村上慎吾氏が、日本市場における事業戦略を説明した。同社のソリューションが米国国立標準技術研究所(NIST)の定めるセキュリティ基準のすべてを網羅していることを示した上で、多くの企業が機能ごとに異なる個別ツールを導入し現場が手作業でつなぎ合わせている現状に対し、同社はすべてのプロセスを単一プラットフォーム上のワークフローとして統合できる価値を提示した。村上氏は、製造や金融、インフラなど守るべき資産が多い業界へ優先的に展開する方針を明らかにし、既存のシステムインテグレーターなどのパートナーに加え、セキュリティ専門ベンダーやSOC事業者との新たな提携も進めると述べた。
今後の展望として鈴木氏は、AIをビジネスの駆動力として最大限に活用するためには、セキュリティをビジネスのブレーキではなく、安全にビジネスを展開するための「加速装置」として位置付ける必要があるという。同社は、これまでに日本市場で築き上げた信頼と実績、強固なパートナーシップを基盤に、日本企業が予防的かつ自律的なサイバー防御態勢を早期に確立できるよう、支援をさらに加速していく構えだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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